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May 03, 2004

リングのチクルス上演

 『文学界』5月号にヴァーグナーについての特集があり,その中に,新国立劇場の「ニーベルングの指輪」の演出家キース・ウォーナーへのインタビューが掲載されていることに,遅ればせながら気づいた。4月12日の本欄で私は「4作の一挙上演はないのだろうか」と書いたが,まさにその話題が出てきている。ちょっと微妙な言い方をしているが,チクルス上演は契約の時の前提となっていて,だからこそ引き受けたのだが,今のところ具体的な話はない,という。
 新しい芸術監督の就任とか,予算削減といった問題があるのかもしれないが,せっかく演出家がやる気なのに,もったいない話だ。

 もう一つの「新情報」――ウォーナーは,この6年間のうち通算1年ぐらい東京に滞在していたそうだ。(その前に,今回の「リング」演出のオファーがあったのが1999年と書いてあるから,ちょっと計算が合わないが,まあ足かけ6年ということなのだろう。)

 さて,一挙上演の場合の日程だが,今年のバイロイトは

(1) RWやSやG

という6日間が1チクルスで,W(ワルキューレ),S(ジークフリート),G(神々のたそがれ)は中1日でとなっている。しかしこれは,そのためだけに集まっている「暇な」聴衆のみのバイロイトだから可能なことで,大部分が昼間の仕事を持っている普通の都市の聴衆には適さない。平日だったらどうしても5時前開演になるW・S・Gは,最低1つ,できれば2つは土日にしてほしいし,演奏者の方も,W・S・Gの間は中2日はほしいところだろう。(歌手で3夜に出演していちばん大変そうなのはブリュンヒルデだと思うが,Sは第3幕の後半だけなので,バイロイト式でも務まるのだろう。)
 見る方にとっては間を開けた土日シリーズというのもよさそうだが,海外からの歌手その他の拘束期間の都合で現実的ではないだろう。

 ということになると,望ましいのは(そもそも私が考えてもしょうがないけれど)

(2) 土日月火水木金土
  RW  S  G
           (等幅フォントで見てください)

というJリーグ風ということになろう。87年のベルリン・ドイツオペラの公演は,(2)のRとWの間が1日空いた形だった。あるいは,もう少し余裕を持たせて

(3) 金土日月火水木金土日
  RW   S   G

というのもよさそうだ。
 以上は東京近辺の人間の発想だが,地方や海外からの人には期間の短いチクルスも必要だということなら,(2) をやった翌週,「火水金日」というバイロイト式コンパクトサイクルを上演し,次の週末は(2)か(3)で3回目,というのはどうだろう。

 ちなみに,今年10月~11月のウィーン国立歌劇場では,24(日)・26(火)・1(月)・6(土)という上演があり,もう1回,来年4月から5月に12(火)・17(日)・24(日)・1(日)というさらに間延びしたチクルスがある。もちろん,その間も毎日別の演目が入っているわけで,リングのことばかり考えてはいられないのだろうし,歌手はたいてい1~2時間で飛んでこられるから可能なのだろうが,旅行者向きではないことは確かだ。

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