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Aug 29, 2004

食堂車にて

 今は昔,新幹線に食堂車があったころの話である。山陽新幹線の岡山から乗り,しばらくしてから食堂車へ行った。食堂車は,2階建て車両の2階にあった。
 斜め向かいのテーブルに中年のおばさん3人のグループがいて,にぎやかにおしゃべりしている。この世でおばさん3人ほど強いものはない。飲んでいるわけではないが,話し声はセンプレ・フォルテで,しばしばギャハハハと笑いころげ,うるさいことおびただしい。いい加減にしてくれないかな,思い始めたころ,そのなかの1人が急にまじめな顔になって「何時に着くんだったかしら」という。他の2人もわからず,ウェイトレスをつかまえて「京都はまだですか」と尋ねる。ウェイトレスは一瞬きょとんとした後に,「あの,もう過ぎたんですけど。」
 3人組は「えーっ」「次はどこ?」「どうしよう」などと叫んで大混乱になり,この期に及んで急いでもしょうがないのに大あわてで勘定を払って嵐のように去っていた。私は「自業自得」とつぶやき,もう食べ終わろうとしていたが,ビールを追加した。

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