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Jan 13, 2005

Once upon a time――ケータイの黎明

 あるとき会社で,昼休みから戻った某中年男が後輩に「おい大変だ,アンケート書いたらケータイもらっちゃたよ。これ,どうやって使うんだ?」と言った。携帯電話は,今も新規だと0円とか1円の機種があるが,一時期,タダの方が普通で,よくアンケートの景品やクイズの賞品になっていたのである。きかれた後輩が答えて曰く,「これをですね,公衆電話の受話器をはずしてそこに掛けて,それから十円玉を入れるんですよ」
 その中年男も,その後もちろんケータイを使っているが,メールは今も受信のみである。

 ケータイの普及と共になくなろうとしているのが,「お呼び出しアナウンス」と駅の伝言板である。
 今でもデパートでは「先ほど○○売り場で△△を3150円お買い求めのお客様」とか「緑のチェックのワンピースをお召しの3歳ぐらいのお嬢様のお母様」が呼び出されることがあるが,昔は個人を指名した呼び出しアナウンスがしょっちゅうあった。万引きが発生したとか,雨が降り始めた,といった情報を全店員に伝えるのにも,特定の呼び出しアナウンスを符牒として使っていたと聞いたことがある。
 野球の中継をテレビで見ていても,「杉並区○○の△△一郎様,ご自宅にお電話をお願いいたします」といったアナウンスがほとんどイニングの合間ごとにあった。時には「ご自宅が火事です。至急お帰りください」などという放送もあったという。
 私は一度だけ,ある演奏会場で,呼び出しアナウンスでご指名を受けたことがある。受付で聞いた伝言に従って実家近くの親戚に電話したところ,父親が急に倒れたということを知らされたのだった。

 駅の伝言板は,かつては「駅前の喫茶店○○にいる」とか「1時間待った。帰る。バカ!」といった書き込みでにぎわっていたが,今や絶滅寸前の状態である。ただし,本当に問題なのは,伝言板と共に,待ち合わせの時間を守るという習慣もなくなりつつあることだろう。

 80年代だと思うが,自動車電話を車から外し,肩に掛けて一応持ち歩ける電話となったのが,ケータイの「第1世代」である。当時は使用料が月10万円ぐらいして,とても普通の勤め人が使えるようなものではなかった。
 そのころの東海林さだおの漫画に今も覚えているシーンがある。電車の中で,若きエグゼクティブ(?)の肩掛け電話に電話が入る。周りの人は珍しいので聞き耳を立てる中,彼は「うん,よし,3億で手を打とう」などと言う。少ししてまた電話が入り,こんどは「えっ何? ブタのこま切れ300? (急に小さな声で)わかった」

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