« 明治と慶応 | Main | 初台の伏魔殿 »

Jan 28, 2005

指揮者なしでデュカ

 26日の東京都交響楽団の第601回定期演奏会は,指揮者のジャン・フルネ氏(92歳!)が倒れ,指揮者なしの演奏となったそうだ。曲は,モーツァルトのピアノ協奏曲(23番)と,何とデュカの交響曲ハ長調(予定されていたマスネの序曲はカット)。
 関係者の話によると,21日の600回記念定期は無事に終わり,その後601回のための3日間のリハーサルのうち2日目が終わったところで倒れたという。デュカ(普通の人は「魔法使いの弟子」しか知らない)の交響曲は,都響はフルネ氏指揮を含め何度が演奏していて,他のオケよりはなじんでいるが,近年の入団で初めてのメンバーもけっこういたとのこと。

 昨年秋,N響の演奏会の最中に指揮者のアシュケナージ氏が指揮棒を左手に刺してしまい,後半のチャイコフスキーの4番を指揮者なしで演奏したのに続く指揮者なし事件である。しかし,チャイコの4番なら突然でもまあ何とでもなりそうな感じがするが,よりによってデュカの交響曲を指揮者なしとは,たいへんなハメになったものだ。
 結果としては,コンマスの山本友重氏のリードで,何とかきちんとフルネ氏の意を伝える演奏となって万雷の拍手が贈られ,山本氏はメンバーが退出した後もステージに呼び戻されたという。(ちなみに,コンサートマスターのことをイギリス英語では concertmaster とは言わず,leader というのが普通である。こういう事態を想定したわけではないだろうけど。)
 考えてみれば,3日間のリハーサルのうち2日目まで終わっていたということは,フルネ氏の音楽がかなり浸透していて,しかも,3日目には「指揮者なし」の練習ができたわけで,絶妙のタイミングだったともいえる。
 いや,ほんとにお疲れさまでした。

|

« 明治と慶応 | Main | 初台の伏魔殿 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23118/2726648

Listed below are links to weblogs that reference 指揮者なしでデュカ:

« 明治と慶応 | Main | 初台の伏魔殿 »