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February 2005

Feb 23, 2005

長い名前

 東京三菱とUFJは,合併後「三菱東京UFJ銀行」という芸のない名前になるという。長いということなら「太陽神戸三井銀行」というのがあったが,これは「さくら銀行」とするまでのツナギだったし,UFJなどという日本の銀行として元々おかしな名前が維持されるとは思わなかった。太陽神戸三井銀行ができたとき,どうせなら北海道拓殖銀行(その後つぶれた)と合併して「太陽神戸三井北海道拓殖銀行」,愛称「ジュゲム銀行」というのがいいのではないかと思ったのを思い出した。
 太陽神戸三井のことを関係者はタイシンミツイといっていた(これでも長い)。東京三菱もトーミツというのが業界略語だが,素人は三菱銀行ということが多いのではないだろうか。

 考えてみれば昔から「石川島播磨重工業」とか「大阪商船三井船舶」といった社名はあった。社名ではないが,「伊勢佐木長者町」(横浜の地下鉄の駅名)などというのもある。
 妥協の産物としてはこうなるしかないのだろうが,ずっと三菱東京UFJというわけにもいくまい。岡山の「トマト銀行」(元は山陽相互銀行)を見習って「リンゴ銀行」にするとか,思い切って命名権を売る(誰に? ライブドア?)というのはどうだろう。逆にトマト銀行の名前を買うというのもいいかもしれない。

 合併の話が出た昨年夏,UFJ銀行のオーケストラのメンバー(女性)に会ったら,「オーケストラも三菱に吸収されちゃうと思います」と少し寂しげだった。そもそも彼女は三和銀行のオーケストラだったのだが。

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Feb 22, 2005

オペラ秋の陣

 この秋,バイエルン州立歌劇場の来日公演の『マイスタージンガー』『タンホイザー』と,新国立劇場の『マイスタージンガー』公演が,同時期に重なることになった。
 9月から10月にかけての「重複部分」のスケジュールは次のとおり(等幅フォントで見て下さい。Tは『タンホイザー』,Mは『マイスタージンガー』):

       24 25 26 27 28 29 30 1 2
       土 日 月 火 水 木 金 土 日
 バイエルン T M     T M   T M
 新国立劇場     M     M     M
  (新国立劇場はその前14日,17日,20日,23日にMを上演する)

 つまり,29日と2日は,直線距離で1.9kmの渋谷(NHKホール)と初台で同時に『マイスタージンガー』が上演されるという前代未聞の事態となる(正確には,29日は4時からでまったく同時,2日はバイエルンが1時間早くスタート)。8日間に6回『マイスタージンガー』があるというのもギネスブックものではなかろうか。
 私は,やむを得ずすべて休日に行くことにしたため,1日Tと2日M(初台)が続くことになった(新国立劇場の休日シリーズ会員はMは2日に固定)。Mが連日というよりはよいが,バイロイトにいるわけじゃないし,もったいない話である。

 バイエルンのもうひとつの演目は,『マクベス』と同様に中世のスコットランドを舞台にした『アリオダンテ』(ヘンデル)である。まったく初めての演目で,ヘンデルのオペラも過去に1回見ただけである。
 その唯一のヘンデル体験は,もう四半世紀も前,1980年のベルリン州立歌劇場(当時は東ベルリン)の来日公演だった。そのときの曲目は『魔笛』『セヴィリアの理髪師』とヘンデルの『ジュリオ・チェーザレ』(当時の表記では『ジュリアス・シーザー』)で,予想に反して,この伏兵ジュリオがいちばん良かった。テオ・アダム,カサピエトラ,フォーゲル,ロレンツという東独のベスト・メンバーと指揮(!)のシュライヤーによる上演は,かなり大胆な演出(クレオパトラが半裸でシーザーを誘惑したりする)とあいまって,長丁場を飽きさせなかった。
 今回の『アリオダンテ』がその再来となることを,期待している。

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Feb 14, 2005

一人文化の日

 2月の某平日の午後,休日出勤の代休をとって個人的な文化の日とすることにした。
 で,まず近代の東京の食文化を探訪しようと,日本橋の蕎麦屋「室町砂場」へ。着いたのはまだ1時前だったが珍しく待たずに入れた。昼間だが,大部分のテーブルで酒を飲んでいる。
 名物の玉子焼きはいつものように焦げ目がついていて,しみじみうまく,暖かい。季節のつまみとしてふろふき大根があったので頼んでみたら,直径4センチの半円×厚さ1.5センチの大根一切れと葉っぱ少々だけ。これはいくらなんでももう少し量がほしい。
 ビルの中だが落ち着いた空間で,いつものことながらほっとする。のんびり飲んで,ソバで締める。

 次いで,地下鉄で上野へ。東京国立博物館平成館の「唐招提寺展」を見た。本館の左奥にある平成館に入ったのは初めてだった。
 唐招提寺展は,金堂の10年がかりの解体修理の間を利用して開かれたもので,金堂の内部(本尊の盧舎那仏を含む)と,御影堂内部(鑑真像と東山魁夷の障壁画を含む)を再現している。ほかには修理中の金堂の瓦など(これも大部分国宝)だけで細かいものはなく,実に豪快でさっぱりとした展示である。
 鑑真像は,前にこの東京国立博物館で展示されたときに見て以来である。前のときはやや高い位置にたてまつられているような感じだったが,今回は目の高さで,前より大きく感じられた。
 金堂の構造を紹介する映画を見て少しまどろむ。
 唐招提寺展の入場券で各館の常設展も見られるので,法隆寺宝物館を見る。2階で,国宝の小さい仏像が何十体も並んでいるのは息をのむような迫力があった。

 5時近くなって外へ出ると,やはり立春を過ぎて日が長くなり,まだ明るい。ふと見ると,国立科学博物館もリニューアルしたのだった。そのうち入ってみよう。

 明るくとも夕方になればまた東京の食文化,というわけで,北千住の「大はし」へ。牛煮込みと肉豆腐が名物の店で,太田治彦の居酒屋本などで何度か目にしていたが,少し前に人に勧められて機会あればと思っていたところだった。
 いつも満員ときいていたが,ちょうど空席ができたところですぐ入れた。何はともあれ,まず煮込み。1.5センチ角ぐらいの固まりの肉が濃い色のたれで柔らかく煮てある。それだけで,他に何も入っていない。この煮込みの肉が半分になって豆腐が入ったのが肉豆腐で,共に320円。カウンターの中は4代目と5代目の父子だけだが,奥の調理場には意外とたくさんの人がいる。客はもちろん常連が多いのだが,父子の客あしらいは,常連にも初めての客にも,一人客にもグループにも,過不足なく適切に気を遣っているのが印象的だった。
 ほかにカキのミニ鍋も良かった。一人文化の日を,一人鍋で締めくくった。

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Feb 11, 2005

雑誌6トンの重み

 最近のニュースの中で,東京・目白の木造アパートで,古雑誌の重みでの2階の6畳間の床が抜けた,というのがあった(→参照記事例)。ため込んだ本人(56歳の男)のケガだけですんだから,まあおもしろいニュースといってもよいと思うが,すごいのは雑誌が(ある記事によると)6トンもあったことだ。なにしろ,2階から落ちて雑誌の山に埋もれたのを救出するのに2時間もかかったというから,想像を絶する量だ。(1階の真下の部屋の住人は,天井がギシギシいうので警察に相談に行き,警官と共に戻ってくるところだったそうだ。)
 上記の記事では「救出の際に運び出した分だけでも高さ50センチに積んで幅1メートル,長さは約30メートル」というから体積は15立方メートル,ということは,高さ2メートルに積んだとして7.5平方メートル(たとえば2.5×3メートル)の床面積が必要である。6畳間は9.9平方メートルだから残りはかろうじて寝るスペースしかない。実際には押し入れなどにも入れていたのだろうが,それにしても雑誌の山に囲まれて,もしかしたら雑誌を敷き詰めた上に寝ていたのだろう。
 雑誌の中身は「昭和50年代後半からの「週刊プレイボーイ」「サンデー毎日」,さらに「少年ジャンプ」などの漫画誌や古新聞」だという。少年ジャンプなんて,一時は厚さ5センチにもなっていた。平均で4センチとすると,20年分ではそれだけで高さ40メートルとなり,高さ2メートルの山が20本になる計算だ。
 長期間にわたる雑誌を保存しておくというのは,スペースの高い都会では最高の贅沢である。中年になった「男おいどん」が雑誌の上で安眠する,という新しい漫画ができそうだ。

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