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Feb 14, 2005

一人文化の日

 2月の某平日の午後,休日出勤の代休をとって個人的な文化の日とすることにした。
 で,まず近代の東京の食文化を探訪しようと,日本橋の蕎麦屋「室町砂場」へ。着いたのはまだ1時前だったが珍しく待たずに入れた。昼間だが,大部分のテーブルで酒を飲んでいる。
 名物の玉子焼きはいつものように焦げ目がついていて,しみじみうまく,暖かい。季節のつまみとしてふろふき大根があったので頼んでみたら,直径4センチの半円×厚さ1.5センチの大根一切れと葉っぱ少々だけ。これはいくらなんでももう少し量がほしい。
 ビルの中だが落ち着いた空間で,いつものことながらほっとする。のんびり飲んで,ソバで締める。

 次いで,地下鉄で上野へ。東京国立博物館平成館の「唐招提寺展」を見た。本館の左奥にある平成館に入ったのは初めてだった。
 唐招提寺展は,金堂の10年がかりの解体修理の間を利用して開かれたもので,金堂の内部(本尊の盧舎那仏を含む)と,御影堂内部(鑑真像と東山魁夷の障壁画を含む)を再現している。ほかには修理中の金堂の瓦など(これも大部分国宝)だけで細かいものはなく,実に豪快でさっぱりとした展示である。
 鑑真像は,前にこの東京国立博物館で展示されたときに見て以来である。前のときはやや高い位置にたてまつられているような感じだったが,今回は目の高さで,前より大きく感じられた。
 金堂の構造を紹介する映画を見て少しまどろむ。
 唐招提寺展の入場券で各館の常設展も見られるので,法隆寺宝物館を見る。2階で,国宝の小さい仏像が何十体も並んでいるのは息をのむような迫力があった。

 5時近くなって外へ出ると,やはり立春を過ぎて日が長くなり,まだ明るい。ふと見ると,国立科学博物館もリニューアルしたのだった。そのうち入ってみよう。

 明るくとも夕方になればまた東京の食文化,というわけで,北千住の「大はし」へ。牛煮込みと肉豆腐が名物の店で,太田治彦の居酒屋本などで何度か目にしていたが,少し前に人に勧められて機会あればと思っていたところだった。
 いつも満員ときいていたが,ちょうど空席ができたところですぐ入れた。何はともあれ,まず煮込み。1.5センチ角ぐらいの固まりの肉が濃い色のたれで柔らかく煮てある。それだけで,他に何も入っていない。この煮込みの肉が半分になって豆腐が入ったのが肉豆腐で,共に320円。カウンターの中は4代目と5代目の父子だけだが,奥の調理場には意外とたくさんの人がいる。客はもちろん常連が多いのだが,父子の客あしらいは,常連にも初めての客にも,一人客にもグループにも,過不足なく適切に気を遣っているのが印象的だった。
 ほかにカキのミニ鍋も良かった。一人文化の日を,一人鍋で締めくくった。

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