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Jun 25, 2005

チケットの配達

 故・柴田南雄(作曲家)のエッセイで読んだのだと思うが,戦前,新交響楽団(N響の前身)では,定期公演の会員券の配達サービスをしていたという。郵送ではなく「自力」で配達し,もちろん代金を回収するわけである。会員は数百人かはいただろうが,配達を希望する人はその何割かで,地域も東京の山の手寄りの中心部が主だったから成立したものだろう。

 ということは,プレイガイドはまだなかったのだろう。プレイガイドが成り立つには,かなりの数の公演が日常的に行われている必要がある。すると,たまの音楽会の宣伝とチケットの販売はどのように行われたのだろうか。

 と書きながら,プレイガイドという言葉もほとんど死語になったことに気づいた。70年代後半まで電話予約はあまりなくて,有力なオーケストラの来日公演などというと,プレイガイドに徹夜で行列した。繁華街の有力な店のほか,クラシックファンのあまり行かない「穴場」とされていた上野の赤札堂(現ABAB)などに並んだこともある。繁華街の大行列ともなると,ホームレス(という言い方はなかったが)の人が並び,翌朝来た人にその「場所」の権利を売ったりしていた。
 今のNHKホールができる前,N響の定期公演は東京文化会館で行われていた。A・B両チクルス,各2回公演だったと思う。その会員券も,売り出し日の前夜に車を持っている友人宅に泊まって,当日の始発前に並んでようやく入手した。

 チケットの配達は経験がないが,小学生のころ,本を配達してもらったことはある。そのころの本屋さんは,月刊誌を定期購読者に配達していて,そのついでに,取り寄せを頼んだ本を持ってきてくれたりした。
 いま再び,ネット通販という形で,チケットも本も自宅に届く時代になった。

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