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Jul 06, 2005

萩原葉子氏――梅ヶ丘にて

 1日に亡くなった萩原葉子氏に,一度会ったことがある。
 もう5年半前になるが,1世代上の「飲み友だち」T老人に呼び出されて,世田谷の梅ヶ丘でご馳走になったことがあった。食事のあと,T氏行きつけのバーに行ったところ,そこにやってきたのが,同じくそこの常連の萩原葉子氏だった。

 紹介されて驚きながら,とっさに『蕁麻の家』というタイトルを口にしたら,「あら,ありがと。ずいぶん昔の話なんだけど」という言葉が返ってきた。ダンスに打ち込んでいるとのことで,話の中心はダンスだった。その引き締まった体つきと軽い身のこなしはダンスの練習の賜物で,八十歳近く(当時)とはとても見えなかった。
 東京新聞(7月5日夕刊)に載った追悼記事によれば,萩原氏は父・朔太郎の膝につかまってダンスをよくし,芥川からも前途有望だとほめられたという。

 2,3杯飲んで,さっぱりした表情ですっと帰って行った。それまでに会った人には類のない素敵なおばさまだった。

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