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September 2005

Sep 27, 2005

バイエルン州立歌劇場のブロガー

 というわけで,25日に横浜で,バイエルン州立歌劇場の『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を見た。これから見る方も多いので細かなことは書かないでおくが,「明るいマイスタージンガー」だった。
 休憩は各35分とこのオペラにしては短め。県民ホールは設計が古いので客用のエレベーターはなく,バリアフルなので,休憩時に1階まで降りて友人と話をし,戻ってくるだけでけっこう忙しかった(実は業務用のエレベーターはあるのを,帰りがけにたまたま知った)。
 このホールのいいところは,ロビーからの海の眺めである。この日は台風のため海が荒れていたが,晴れて視界はよく,赤レンガの復元倉庫街も間近に見えた。

 今回の公演はその前日24日の『タンホイザー』(東京文化会館)が初日。『タンホイザー』の翌日『マイスタージンガー』というペアが3回あり,その合間(27日)にはなんとマーラーの3番の演奏会がある。オーケストラのメンバー表にはかなり交替できるだけの大人数(木管は6人以上)が並んでいる。

 メンバーは来日前まで夏休みで,18日に集合し,19日の『マイスタージンガー』の舞台稽古が今シーズンの「仕事始め」。夏休み明けの久しぶりのリハーサルで,時間もかかってたいへんだったそうだ。
 というような話を,このオペラの合唱団のテノールを長年歌っているKさんのブログで読むことができる。このページ左下 MYLIST1 にある「Mein erster Blog」というのがそれである。旅行先でも毎日更新されていて,集合前は,夫人(ドイツ人)といっしょに国内を旅行し,故郷のいわきでゆっくりした話もあり,昨日久しぶりにアクセスしたら,未読の記事を読むのに30分以上かかってしまった。

 『マイスタージンガー』の3幕の歌合戦の場では,合唱の2列目の左の方にKさんの姿が確認できた。
 Kさんには,もう10年以上前,「パソコン通信」時代の Nifty の関係の会合でお目にかかったことがある。当時ミュンヘンのオペラでヴィオラを弾いていたIさんもたまたま知人なので,そのIさんの話をした覚えがある。
 今日27日はマーラーの3番なので,合唱の男声は休み。Kさんものんびりできるのだろう。

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Sep 25, 2005

『マイスタージンガー』の謎

 2週連続の『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(本欄2月22日の項参照)に備えて,リブレットを2種類の翻訳で読み直しているのだが,このオペラの筋書きには,読むたびに,昔から抱いている疑問が頭をもたげてくる。

 まず,第1幕でマイスターたちが集まるのは,定例の組合の会議のようであり,その際にマイスタージンガーへの昇格試験があるように書いてある。しかし,ヴァルターはこの会議の始まるときに突然現れた。昇格試験については,常に門戸が開かれているということなのかもしれないが,もしヴァルターが現れなかったら,何もせず解散,なのだろうか。

 次に,ポーグナーはなぜ歌合戦の前日になって自分の財産と娘を「賞品」にすることを発表するのだろうか。「開催要項」のこんな大きな変更が,前日になされるというのは無茶な話である。だいたい,勝った人に恋人や婚約者がいたらどうするのだろう。
 その前に,歌合戦の参加資格が独身のマイスターに限るということは,前から決まっているのだと思うが,実際にそれに該当するのはとりあえずベックメッサー一人しかいないようだ。そうだとしたら,ポーグナーは,娘の結婚相手としてベックメッサーを想定して「賞品」の発表をしたということなのか。

 そして第3幕の歌合戦。オペラに現れた範囲で見る限りでは,上記のような次第で,当初から予定の参加者がベックメッサー一人というべらぼうな企画である。もしヴァルターが来なかったら,ベックメッサーの「不戦勝」なのだろうか。あるいは「1位なしの2位」にでもなって,「賞品」はお預けなのだろうか。

 といったようなこととは別に,今回読んで初めて知ったのは,第2幕の終わりの乱闘で,マイスターたちもかなり派手に殴り合いをしていることである。ともすると,かなり老成したような感じに受け取られるマイスターたちだが,ポーグナーでも四十そこそこ,他の人は(ザックスを除き)もっと若くて血気盛んなのかもしれない。

 ではこれから,横浜(バイエルン州立歌劇場の『マイスタージンガー』)へ行ってきます。

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Sep 22, 2005

神保町回游――『散歩の達人』で特集

 『散歩の達人』10月号が「神保町回游」という特集を組んでいる(→ホームページ)。内容は,書店・古書店,喫茶店,トイレ地図,深夜酒場,レトロ学舎などもりだくさんである。オジサンには字が小さいのが玉に傷だ。

 特におもしろいのは昭和11年の神保町の航空写真と,当時の地図を並べたページで,今もある店,最近まであった店もたくさん載っている。

 食べ物屋で取り上げられているのは,サラファン,yoshino(ステーキ),*ルー・ド・メール(内神田),カレー饂飩のアツマル,サンドイッチの London City,京城園,富士山のやさい塾,魚玉,*ハンバーガーのI-Kousya(水道橋),メナムのほとり,ラーメンの麺者服部,龍水楼,スヰートポーヅ,野らぼー(*印は私が知らなかった店)。
 ほかに,大盛りの店の紹介ページがあり,ここには徳萬殿,まんてん,キッチン南海,キッチンカロリーが登場する。

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Sep 18, 2005

このごろのスパムキャラ

 去年,特に夏前までは,スパムメールがどんどん増えて1日に170通ぐらいになり,このままではどうなるのかと恐れていたのだが,その後ほとんど増加しなくなった。今年の後半に入ってからはむしろ減ってきて,このところ1日120通前後で落ち着いている。マイクロソフトやプロバイダーなどの対策が効いてきたということだろうか。

 スパムメール上の名前としては,かつて井川り○こさんというのが有名だったらしいが,このところごくたまに来る程度になった。今ほとんど毎日メールをいただいているのは嶋田○百合さん,富田ゆか○さん,上村○いさんといったところだ。次いで多いのは山本涼○,水野直○,後藤博○,早坂友○といった人々。
 このうち「嶋田さん」は,いつも名前は本文にのみ書いてあるのが特色であり,差出人のアドレスはさまざまなものが使われている。
 差出人のアドレスでいちばん多いのは info@....com だが,私のアドレスが差出人になっているメールがけっこうあり,これは不愉快だ。

 などと高見の見物のようなことを言っていられるのも POP FIle(参照先:http://popfile.sourceforge.net/)のおかげである。

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Sep 17, 2005

蒲田でホッピー

 愛読しているブログ「鉄馬と酒と旅と」「おさまり発見記」(URLは左欄下の方の MYLIST 参照)とそこに集うブログに何度か登場した蒲田の「鳥万」へ,ある夜,急に思い立って行ってみた。
 テーブル席に座ろうとしたときに,ちょうどカウンターの串焼きを焼いているのが見える席が空いたのでそちらへ。このカウンターが白木でなく,赤茶色に塗ってあり(もしかして漆?),それが磨きこまれてつやがでているという貫禄あるものだった。
 品書きは壁いっぱいに貼られている。序章は生ビールとコハダ刺,本編はホッピーと串焼き数本(1本80円!),あとはポテトサラダ,とうふステーキとした。肴はどれも安く,1人で何種類か食べるのに必要十分な量がある。
 ホッピーは,氷グラスの焼酎とホッピーのびんで出てくる。上記ブログの写真ほどではなかったが,焼酎はけっこうたくさん入っている。「中」だけおかわりするとちょっと濃すぎると思われたので,結局,中・外両方おかわりした。
 店は3階まであるが,12人の団体がやってきて,入り口脇のおかみさんは「○○ちゃーん,4階開けてー」と緊急指令を出していた。「この店はいつから?」ときいたところ,「オリンピックの次の年なのよ」 ということは今年で40年になるわけだ。

 帰りの電車で,川本三郎『東京の空の下,今日も町歩き』(講談社)を読んでいて名言を見つけた。「私見では,いい居酒屋とは,カウンター主体で,一人で飲みに来る,いい意味で孤独な酒好きを大事にしてくれること。もうひとつは,安い肴が豊富で,品書きが店内にぐるりと張ってあること。」

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Sep 14, 2005

死票累々――社会科と社会

 今回の総選挙の結果で,小選挙区全体(300議席)における自民党と民主党の獲得議席数は219対52と大差がついたが,実は得票数の比率を見ると47%対36%である。すなわち,自民党は得票数は民主党の1.3倍に過ぎないのに,4.2倍の議席を得たのである。
 東京はもっと極端で,得票数比は50対37で,議席数は23対1だった。死票累々である。これが,小選挙区制の怖いところであり,おもしろいところでもある。
 比例区があって多少「緩和」されてはいるが,全体の議席数は296対113で,自民党は民主党の2.6倍となった。

 昔々,高校で,政治経済のM先生に小選挙区制について教わった。「勢力の拮抗する二大政党がある場合,少しの人が支持政党を変えると結果が逆転するので,政権の交代が起こりやすい」「死票が生じやすい。51%でも勝ちは勝ちで,残りの49%は死票となる」「得票数と議席数が逆転することもありうる。たとえば,選挙区A~Cで,X党とY党の得票数が55:45,55:45,10:90だったとすると,合計の得票数は120:180だが,A区,B区ではX党,C区ではY党が議席を得るので,議席数は2:1になり,得票数と逆の結果になる」といった話だった。
 今回の結果を見てすぐ,得票率はどうなのだろうと思ったのは,この話が頭の片隅にあったからである。当時は中選挙区制で,自民党政権が変わる気配はなかったから,小選挙区制はまったく理論上の問題として語られていた。

 選挙に関連してこのM先生が話していたことでもうひとつ記憶に残っているのは,最高裁判所の国民審査のことである。
 M先生は「不信任の×印の比率は,いつも名簿の最初の人が少し高く,あとはほとんど差がない。大部分の人がランダムに印をつけているからだ」と説明し,「こんな制度はいらないという意見もある。しかし,万一おかしな裁判官が現れたときのためということと,裁判は別として国民が三権のうちの司法に直接関わることができる唯一の機会であることを考えると,私は残しておく方がいいと思う」という見解を述べた。
 今回も,国民審査にあたっては,公報の「これまでに関わった判決」のところを読んでから投票所に向かった。

 M先生には,そのほかに,株式会社のしくみ,銀行の預金準備率,為替手形・約束手形というもの,ケインズ経済学の基礎など,教科書の扱う範囲をかなり越えて,世の中のしくみの基本を習った。最初つまらないと思っていた政治経済という科目が,ほどなく目からウロコの連続の楽しみな科目となった。
 M先生から学んだことの大部分は,その後文学部系の学生が学校では二度と学ばなかったことがらで,今も大いに役に立っている。

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Sep 12, 2005

選挙日和

 昨11日,東京地方はさほど暑くなく,午後激しいにわか雨が降った一部地域以外は絶好の選挙日和だった。昼前に投票所へ行ったところ,長蛇の列というほどではないが,これまでのこの投票所の経験では最高の混雑だった。いわゆる「刺客選挙区」で,選挙区への注目度も高かったこともあり,投票率はかなり上がると思ったのだが,結果は全国平均には少し及ばなかったようだ。
 いつかテレビで,朝一番で投票所へ行った人は,投票箱が空であることを確認するという仕事をする規定になっている,という話をしていた。いつかこれをやってみたいと思っていたのだが,今回も果たせなかった。
 私の地区の投票所は,場所は従来と同じだが,今回からは「旧○○小学校」。統合のため廃校になり,とりあえず建物はそのままで,区の施設になっている。もとの教室のひとつに「サロン」という表示が出ていた。

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Sep 10, 2005

神保町昼食ニュース

 遅くなりましたが,9月号を本拠地の「神保町昼食の章」に掲出しました。

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Sep 05, 2005

「まつや」の片隅から

 神田の蕎麦屋「まつや」で,「狭いんですけどいいですか」ということで通されたのが奥の方の4人掛けのテーブルで,3人の先客がいた。その3人も,30代ぐらいのカップルと,中年男との合い席だった。ここはいつも混んでいて合い席が常態である。
 飲み屋でたまたま隣に座った人と話をすることは,時におもしろいが,わずらわしく感じることも多い。そんな中で,まつやは,知らない人とでも自然に話をする雰囲気がある。このときも,3人の先客の間で話が弾んでいて,次第にそこに加わる結果となった。

 その中年男は《ほんとの江戸っ子じゃあねえ》と言っていたが,べらんめえの下町言葉をしゃべり,「てめぇ」を一人称代名詞とする。目がぎょろっとしていて白髪混じりの短い髪で,見た目はちょっとこわいが,本人によると,《てめぇはまあ真面目だから》どこへ行ってもやがて《あやしいけどでぇじょうぶだ》と評価されてきたという。長年演劇活動をしながら,いろいろな職業についたそうだ。
 閉店時間が近づいて食べ物の注文が最後になると,まつやの店員さんが「ラストオーダー」と言ったわけではないのだが,話はなぜかカタカナ語批判に及び,《ラストオーダーなんて言わねぇで,しめぇだのみ,って言やあいいんだ》と言う。しかしそれから3分もたたないうちに「キャッチフレーズ」と言ってしまい,カップルのうちの女性の方に「えーっ,売り文句,でしょう」とつっこまれていた。

 彼の口からは,たくさんの名文句が飛び出した。ほんのわずかしか覚えていないのが残念だが,合い席の客にうけていることを確認して別れ際に口にした自らの「売り文句」は《今日も元気だ,まわりは迷惑》。

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