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Sep 25, 2005

『マイスタージンガー』の謎

 2週連続の『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(本欄2月22日の項参照)に備えて,リブレットを2種類の翻訳で読み直しているのだが,このオペラの筋書きには,読むたびに,昔から抱いている疑問が頭をもたげてくる。

 まず,第1幕でマイスターたちが集まるのは,定例の組合の会議のようであり,その際にマイスタージンガーへの昇格試験があるように書いてある。しかし,ヴァルターはこの会議の始まるときに突然現れた。昇格試験については,常に門戸が開かれているということなのかもしれないが,もしヴァルターが現れなかったら,何もせず解散,なのだろうか。

 次に,ポーグナーはなぜ歌合戦の前日になって自分の財産と娘を「賞品」にすることを発表するのだろうか。「開催要項」のこんな大きな変更が,前日になされるというのは無茶な話である。だいたい,勝った人に恋人や婚約者がいたらどうするのだろう。
 その前に,歌合戦の参加資格が独身のマイスターに限るということは,前から決まっているのだと思うが,実際にそれに該当するのはとりあえずベックメッサー一人しかいないようだ。そうだとしたら,ポーグナーは,娘の結婚相手としてベックメッサーを想定して「賞品」の発表をしたということなのか。

 そして第3幕の歌合戦。オペラに現れた範囲で見る限りでは,上記のような次第で,当初から予定の参加者がベックメッサー一人というべらぼうな企画である。もしヴァルターが来なかったら,ベックメッサーの「不戦勝」なのだろうか。あるいは「1位なしの2位」にでもなって,「賞品」はお預けなのだろうか。

 といったようなこととは別に,今回読んで初めて知ったのは,第2幕の終わりの乱闘で,マイスターたちもかなり派手に殴り合いをしていることである。ともすると,かなり老成したような感じに受け取られるマイスターたちだが,ポーグナーでも四十そこそこ,他の人は(ザックスを除き)もっと若くて血気盛んなのかもしれない。

 ではこれから,横浜(バイエルン州立歌劇場の『マイスタージンガー』)へ行ってきます。

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新国が17日と23日、ミュンヘンは最終日の2日に行ってきた。 新国立劇場の座席数が1814、NHKホールが3677で ほぼ倍である。これで真っ当な比較ができるか自信はない。 [Read More]

Tracked on Oct 03, 2005 at 10:57 PM

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