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Oct 16, 2005

愛の諸相――「世界の果てまで」と「愛の喜び」

 昔,トランペットを吹く友人が結婚することになり,披露宴で演奏するための曲の編曲を依頼された。当日の出席者のうち楽器を演奏するメンバーが伴奏し,新郎がソロを吹こうというわけである。で,曲は「世界の果てまで」がいいという。当人から,ブレンダ・リーが歌うその曲の入ったLPレコードを借りて帰った。
 ところがよく見ると「世界の果てまで」の原題は The End of the World となっている。なんだか変だなと思いながら歌詞カードに記された英語の歌詞を読んでみると,内容は,恋が破局を迎えてもう「世界の終わり」だ,というもので,失恋の歌なのだった。
 「おい,こういう内容だけどいいのか」「いや,困る困る」といったやりとりを経て,結局,演奏曲は,無難な(?)「愛の賛歌」に変更になった。

 別の管楽器の友人が,やはり自分の披露宴で,マルティーニの「愛の喜び」を,新婦のピアノ伴奏で独奏したことがあった。原題は Piacer d'amor であり,こちらはタイトルとその訳には何の問題もない。
 しかし,実は後で知ったのだが,その歌詞は,結婚式の曲としては何とも皮肉なことに,「愛の喜びはひと時のこと、愛の苦しみは一生続く」云々というものだった。

 ちなみに,前者のカップルは「世界の果てまで」とは行かず,二十何年か後に別れてしまった。

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