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Oct 17, 2005

VAN カレー ――神保町'70s (1)

 神保町付近で,かつて昼食にもっともよく行ったのは VAN カレーだった。1丁目5番地のブロック,すずらん通りと靖国通りの間の小道の徳萬殿の並びにあり,カウンター中心の長細い店だった。
 ビーフ,ポーク,チキンがあり,オイルショック前はビーフでも300円ぐらいだったように思う。キャベツのサラダが取り放題だった。オプションで生卵があるが,大盛りを頼むとそれがタダでついてきた。カレーに生卵を入れるのはここで初めて経験した。若かったからたいてい大盛りで,キャベツを山のように乗せて食べた。

 当時,共栄堂と南海はあったが,ボンディもエチオピアもまだなく,もちろんマンダラのようなインド・レストランもなかった。共栄堂は「スマトラ風」の独特のスパイスで個性的かつやや高級な店,南海は少し焦がしたような味でカツカレーが売り物だった。その中で VANカレーは,おおざっぱに分ければ欧風というのか,タマネギベースでじっくり煮込んだと思われるもので,具はほとんど肉だけ。学生街の店のようにジャガイモがごろごろしていたりしないところが,当時は新鮮に感じられた。

 VAN カレーは,70年代後半だったと思うが,「カレーのタカオカ」となった。それまで,すずらん通り側との位置関係を考えたことがなかったのだが,よく見ると,すずらん通りの高岡洋紙店の裏口なのだった。B051017_jmb
 その後のことはあまりはっきりした印象がないが,80年代のうちに閉店したように思う。この場所に,90年代の建て替えでできたのが三幸園のビルで,1階の中華の三幸園の奥のテーブルは裏通りに面している。

 高岡洋紙店の建物は,数軒の同じデザインの2階建てがぴったりくっついて建っていたうちのひとつだった。いま,残っているのは,その左隣の2軒となった(→写真;右の黒いビルが三幸園)。

[参考] 「ひだまりのお話」05.6.4.の項とそこへのコメント

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Comments

「VANカレー」とGoogleを掛けましたところ、こちらにドンピシャヒット。
さっそく拝見いたしました。
懐かしいです。テーブルにおかれた、でかい器のサラダ、
野菜不足の学生には嬉しいかぎりでした。
確か年輩の男性二人で切り盛りしていた記憶が有るのですが・・・
80年代の終わり、再度訪れ無くなっていることを知り本当にガッカリしました。
ちなみにこの店名は、VANジャケットからはクレーム付かなかったのでしょうか?

Posted by: koru | Mar 12, 2006 at 03:49 AM

同じ内容が、2回アップされてしまったようです。
すみません。

Posted by: koru | Mar 12, 2006 at 03:52 AM

コメントありがとうございました。上に注記してある「ひだまりのお話」によると,「タカオカ」と改名したのは商標の問題によるということです。

Posted by: 家主IIZUKA | Mar 13, 2006 at 05:15 PM

懐かしいです。ボクは当時中学生でVANの近くの学校でした。こっそり学校帰りに食べにいった記憶があります。あの味はその後のカレーの味を判断する際の基本になりました。おじいさんがいなくなった後に名前が変わり、そして気がつくと閉店されてしまいとても悲しかったと記憶しています。名前は定かではありませんが信濃町にあるカレー店はその当時のVANを手本にして開業されたらしいのです。スタイルは今も似ています。VANの味を彷彿させるカレー店として現在もある店としては大阪が本店のインディアンカレーが秀逸です。
味は探せてもVANと共にあった70年代の空気はもう味わえないのでしょうか。数軒隣にあった喫茶(さぼうる)も思い出です。

Posted by: masato | Jun 29, 2009 at 07:25 PM

仕事で九州関連のことをやってBANカレーと地図にあったので思わず思い出してVANカレーを検索。
突然店がしまったとき、近所の人に聞いたら、店主が田舎に帰ったと聞いたのだが。タカオカになってから一度行ったが違うよと思ってそれっきり。キャベツも良かったけど福神漬けが良かった。小さい樽に入った酒悦(だったと思うが)のもの。卵は平日は大盛りについていて、土曜日には普通盛りにも付いていた。確かにウェイトレスのオネーサンは綺麗だったなぁ。店主も気になった対応には、すぐ注意して躾ていた。
1969年から1992年まで学校に、仕事に神保町に居続けた面白かった頃の思い出。

Posted by: vatten | Oct 06, 2009 at 10:54 AM

VANカレーのおじいさんが店の前に立って写真に写っているいる記事があった。おじいさんのカレーを食べてみたくなってでかけた。夕方で客は私一人だった。今日最後のポークカレーだ、一番うまいぞ、とおじいさんが言った。おじいさんが死んで店は秋葉原に移った。名前はタカオカに変わったが味は変わらなかった。やがてこの店もなくなった。おじいさんの味を受け継いだタカオカはどこへ行ったのか?

Posted by: matt | Aug 22, 2014 at 02:15 PM

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