すずらん通りの立ち食いソバ屋 ――神保町'70s (4)
すずらん通りの中ほど,今は牛丼の「たつ屋」がある場所だったと思うが,昔は細長いカウンターの立ち食いソバ屋があった。看板があったという記憶はなく,したがって店名もわからない。比較的長身のおじさん一人でやっていた。
麺にはつなぎがたくさん入り,つゆには化学調味料がかなり使われているようだったが,当時の立ち食いそばではごく普通の水準だった。
この店がよかったのは,天ぷらの種類がいろいろあって,自由に選べることだった。普通の立ち食いと同じく,単に「天ぷらそば」といえばもちろんかき揚げが出てくるが,ほかに,ナス,ピーマン,タマネギ,レンコン,シュンギク,ゴボウ,ちくわ,エビ,イカなどがあった。
私は,当時も昼に立ち食いというのはしなかったが,夕方,演奏会やその他の用事で出かける前によくこの店に行った。顔なじみになると,「今揚げたては,ナスとちくわ」などと教えてくれた。
ふつうの(立ち食いでない)そば屋にも天ぷらのネタを自由に選べるシステムがあるといいのに,と思う。
立ち食いソバ界の雄・小諸そばチェーンは,当時,もっと東の方にはすでにあって,特に小川町交差点そばの店はかなり初期の店だと思うが,神保町付近にはまだなかった。このあたりでは,駿河台下交差点脇の店がいちばん古い。最近では,神保町2丁目の白山通り沿いにあって孤軍奮闘していた「二八そば」が小諸そばに化けた。
ただし,小諸そばは3,4年前に椅子が設置され,純粋の「立ち食い」ではなくなった。


Comments
すずらん通りの立ちソバ屋、ああ、なつかしいです。そうそう、「今は○○が揚げたてだよ」とか教えてくれましたね。店の外には「そば」ののぼりなんかも出していた・・・おかげで、たつ屋にはそれと間違えて「天ぷらそばちょうだい」なんていう客がたまに入って来てました。
というわけであの立ちソバ屋があった場所は、たつ屋の右隣になります。
Posted by: モギ | Dec 13, 2005 at 11:54 AM
なるほど,たつ屋と併存していた時期があったのですね。
Posted by: 家主IIZUKA | Dec 17, 2005 at 09:08 AM