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May 26, 2006

最初のブー

 今でこそ「ブーイング」という言葉は,サッカーや野球はもちろん,広く大勢の非難を浴びる場面に拡張されて用いられているが,元々は舞台芸術での「風習」として日本にやってきたものだと思う。

 オペラで私が最初に体験したブーイングは,1979年7月,二期会の『ローエングリン』のカーテンコールで,タイトルロールのN氏に対するものだった。「ブー」という音声は聞こえにくいこともあって,始めうなっているのか何だかわからなかったが,N氏のあいさつのときに発せられることに気づいて,ああこれが「ブー」というものなのかと思った。
 そのときの上演の水準は,全体としてはなかなかのもので,特に合唱は充実していた。その中で登場したN氏は,相撲取りのような体型で,乗った小舟を引く白鳥もたいへんそうだった。細かいことは覚えていないが,声自体はかなりの美声だと思うのに,声をずり上げるせいか,ヴィブラートのせいか,「は~~~~~るばる,来たぜブーラバントオ~~~」という感じの演歌調に聞こえたのも事実だった。

 ブーという音声をはっきり聞こえるように発するのは難しい。日本では「ブラボー」を言うときに「ボー」を伸ばすから,ブラボーだかブーだかわからないことさえある。
 それでも,日本人のブーイング技術(?)は,平均的にはだいぶ向上した。

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