三十年一日 ――神保町'70s (9)
神保町には長い歴史を持つ飲食店が多いが,その多くは,改装や建て替えなどいろいろな変転を経ている。そんな中で,私が知っている70年代前半以降で見た場合,もっとも雰囲気が変わっていないのは,花家,スヰートポーズ,それにキッチン南海である。
「キッチン南海」は,一時はずいぶんたくさんの店があったが,前世紀の90年代ごろだいぶ少なくなり,今はこの近くではすずらん通り(神保町1-5)と小川町(2-12あたり)の店が「健在」である。すずらん通りの店は,今も昔も通り随一の「行列の店」で,1時過ぎまで行列が絶えることがない。焦げ茶色の外装も,縦書きで黄色く「キッチン」,緑で「南海」と書かれたドアも,内装も,手入れはしているようだが,昔のままである。
その斜め向かいの「スヰートポーズ」も「南海」に次ぐ行列の店である。4人掛けのテーブル(左奥のみ2人用)が並ぶ店内は昔より少し明るくなったような気がするが,黄色の看板も,ショーウインドウも,ほとんど変わっていない。メニューも(値段以外)すべて昔と同じで,四角い筒のような独特の形の餃子が小皿8個,中皿12個,大皿16個,定食には(中華スープでなく)ワカメの味噌汁と白菜の漬け物がつく。私は「チュウテイ(中皿定食),小ライス」を食べることが多い。
その裏の路地にある「花家」は,門を開け,玄関に入って靴を脱ぎ,2階の座敷へ上がる古典的な和食の店で,1階の玄関脇の別の扉を開けるとカウンター席があり,1人2人だったらこちらがいい。この店は,建物や内装はもちろん,驚くべきことに女将さんを含む3人の女性も,三十年一日である。
カウンター脇に,夜の客のボトルが置かれている。昔はウィスキーだけだったのが,今は大部分が焼酎のボトルになったのが,小さな変化である。
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Comments
スヰートポーズの漬物は、白菜ではなくてキャベツではないでしょうか。歯ざわりがキャベツのそれなので、そう思っていました。
Posted by: 藤田 | Jul 05, 2006 at 10:05 AM