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Dec 11, 2006

道後温泉の『復活』

 どの程度珍しいことなのかはわからないが,私は47都道府県すべてに足を踏み入れたことがある。

 首都圏以外の場所へは,小学校4年のとき,福島にあった親戚に行ったのが最初である。上野駅で何時間か並ぶ覚悟で出かけたが,予定の列車の前の臨時列車に乗ることができた。東北本線の全線電化の前で,蒸気機関車が引いていた。
 以来,東北には何かと縁があり,学生時代に全県を訪れ,また北海道へも行った。
 近畿は,京都・大阪・兵庫・奈良へは仕事でよく行ったが,その他の県を訪れたのはだいぶ後で,乗ったことのない鉄道に乗りに行った結果である。
 ふつうは行く機会の少ない鳥取へは,たまたま出張があり,ついでに島根に足を伸ばした。九州へは,90年代半ばに何度か用事ができて,全県へ行き,帰りに山口県にも寄った。四国は,香川・徳島は80年代に行ったが,高知に行ったのは90年代後半だった。

 結局,20世紀中に唯一行けなかった県は愛媛だった。
 世紀が変わって間もない2001年4月,高知・愛媛へ出かけた。行きは寝台特急「サンライズ瀬戸」に乗り,朝日にきらめく瀬戸大橋を渡った。土佐くろしお鉄道と予土線で四万十川沿いの新緑を堪能してから愛媛県に入り,宇和島に泊まった。
 翌朝は松山。路面電車で市内を回り,道後温泉本館の湯に入った。
 その脱衣所兼休憩室で,裸のままなにやら厚い本を読んでいるおじいさんがいた。おじいさんが本を置いて席を立ったときにちらりと見たら,世界文学全集の1冊で,トルストイの『復活』だった。

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