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February 2007

Feb 24, 2007

傘の値段

 バブル崩壊まで長い間ずっと,物価は上昇し続けた。油が水に浮くように,物価といえば上がるものであり,「物価上昇」というのが四字熟語として固定していた。そこに風穴を空けたのが「価格破壊」という動きだった。
 価格破壊の例としては,だいぶ前に書いた音楽CDが顕著だが,個人的な印象が強いのは雨傘である。たぶん70年代末ごろだったと思うが,出張先の関西某所で強い雨に降られた。やむを得ず,駅から濡れないで行けるデパートで傘を買ったら,出張の手当が消えてしまった。
 それが,その後10年あまりの間に,コンビニはもちろん,駅の売店や,100円ショップでも,ビニール傘が買えるようになった。東京・蒲田で,居酒屋で傘が売られているのを見たこともある。ジャンプ傘のトップメーカーだったアイデアルは倒産したし,個人的にも雨に備えて折りたたみ傘を持っていくのを面倒に思うようになってしまった。
 破壊された状態が定着して,「価格破壊」という言葉も古語になった感がある。

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Feb 18, 2007

銀婚オペラ『ダフネ』

 2月10日は結婚25周年の記念日だった。これを自ら祝って,その当日夕方,二期会公演『ダフネ』(リヒャルト・シュトラウス)に出かけた。チケットの申込みの電話では,同じ作曲者の『ダナエの愛』と一瞬混同して,「『ダナエ』お願いします」と言って,相手を絶句させてしまった。
 5年前の20周年(陶婚式 china wedding というらしい)は,ちょうどベルリン州立歌劇場の「リング」サイクルの3日目『ジークフリート』の日だった。このときは他の都合で第3サイクルにしたのだが,記念日が一応ハッピーエンドの『ジークフリート』の日になったのはうれしい偶然だった。(しかし,4日目は『神々のたそがれ』だから,その後たそがれてしまうことになるのかも,と思ったりもした。)

 『ダフネ』は日本初演で,『ジークフリート』とは対照的に1幕もので,上演時間は105分ほどだった。だいたい『サロメ』の規模に戻ったことになる。
 演出はコンテンポラリーダンス畑の女性で,舞台には女性ダンサー5人が登場した。そのうちの「メインダンサー」の人は,最初と最後に長く動きの激しいソロを踊った。序奏ではタキシードのような服だったのに対し,最後のときはかなり肌を露わにしていたが,「鍛え抜かれた」というべきであろうその身体はガリガリにやせていて,正直言って目に心地よいものではなかった。
 ただし,全体としてはダンスは,空中遊泳などアイディア豊富で,非常におもしろかった(うるさいと感じた人もいただろうと思うが)。
 歌はなかなかの水準。ベテラン歌手がギリシャ神話の「青春ドラマ」を歌うのは事前にはちょっと心配だったが,福井さん,釜洞さんとも十分に若々しかった。

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Feb 15, 2007

ハ長調の日

 若い才能がきらめいて,気持の良い演奏会だった。おそらくお客さんもそう思っただろう。先日,出身高校の関係者によるオーケストラの演奏会に久しぶりに出演し,コンチェルト2曲の伴奏をしたのである。
 曲はハイドンのチェロ協奏曲第1番とベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番という共にハ長調の第1番で,ソリストは共に現役の高校2年生だった。

 チェロのM君は,制服の上着を脱いだワイシャツ姿で登場し,細い体を折り曲げながら,朗々と歌うチェロを聞かせてくれた。プログラムでの紹介で知ったのだが,M君は卓球部のキャプテンだという。
 ピアノのS君は,制服でなく,タキシードを着て登場した。学校での練習のときもすごいなと思ったけれど,ホールのちゃんとしたピアノで聞くと数倍すばらしかった。細かいところが正確無比なのは当然だが,緩徐楽章もきちんとサマになっていて,余裕を持ってオーケストラと歌い交わしていた。

 終わって,「成人」出演者のみで打ち上げへ。ベートーヴェンの指揮をしたT1氏,トレーナーのT2氏(共にプロの弦楽器奏者)も交えて話がはずんだ。2次会と合わせて,計6時間の長丁場になった。

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