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Jul 26, 2007

海辺の道――呉線の旅

 6月の某日,広島県で用事ができたのを幸い,呉線に乗りに行った。呉線は,山陽本線の海田市(かいたいち)と三原の間を,山陽本線より海寄りのルートで走る。乗ったのは広島始発の電車で,4つめが分岐駅の海田市である。途中までは通勤客や高校生で混んでいたが,やがてすいてきた。といっても過疎地モードではなく,少なくとも呉までは座席はほぼ埋まっていた。
 トンネルをいくつかくぐると海が見え,グレーの艦船がいる。このあたりの感じは,私の故郷の同じ軍港の町・横須賀とよく似ている。ただし,JRの横須賀駅が海には近いが市街地から離れているのに対し,呉駅は海にも市街地にも近い。横須賀と呉は,ともに鎮守府が置かれ,海軍工廠があったが,工廠の規模は呉の方がはるかに大きかった。巨大戦艦「大和」が建造されたのも呉で,いま呉には「大和ミュージアム」がある。

 呉から先もトンネルと海の風景は続き,車両基地のある広(ひろ)を過ぎるとかなりローカル線風になる。広の次は仁方(にがた)で,かつては予讃線の堀江(愛媛県)との間に仁堀連絡線が通っていたということで(鉄道ファンにだけ)知られている。
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 呉から1時間と少しかかって,竹原着。ここで下車し,タクシーで安芸の小京都・竹原の古い町並みの保存地区へ向かう。観光客はいたが,商家や造り酒屋が並ぶ町並みは,午後の陽光の下で静かだった。

0706b
 洋風建築の元図書館が歴史民俗資料館になっていて,かつて繁栄をもたらした製塩や酒造,竹原ゆかりの有名人・池田勇人,頼山陽一族,竹鶴政孝(ニッカウヰスキー創業者)などについての展示があった。古い木の床がぎしぎし鳴った。
 名物の瓦そば――ゆでた日本蕎麦と具(豚肉,錦糸卵など)を瓦の上で焼いたもの――で昼食の後,その店でタクシーを呼んでもらって駅へ戻る。
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 再び呉線に乗る。2つめの安芸長浜を過ぎると線路がぐっと海に近づく。特に次の忠海(ただのうみ)からは,海岸ぎりぎりに岬を回るので,刻々方角が変わり,景色も変化に富む。海に近い鉄道はいろいろあるが,海岸線への「忠実度」は,この20km が屈指の存在である。
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 最後は真北を向いて進み,山陽本線にぶつかって東へ曲がって,終着三原となる。広島から93km,正味2時間40分の旅だった。

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