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Nov 23, 2007

ドレスデンの『タンホイザー』『ばらの騎士』

 ドレスデン国立歌劇場の『タンホイザー』『ばらの騎士』を,共に神奈川県民ホールの1階の6列という席で見た。6列といっても,ピットを使うときは5列までは「欠番」で,最前列なのだった。
 5メートル先であのオーケストラが演奏しているというのは贅沢の極みだった。管楽器の呼吸まで感じられた。近すぎてバランスが悪いし,ずれて聞こえることもあったが,金管楽器のそばでも決してうるさくないのには感嘆するばかりである。

 『タンホイザー』はペーター・コンヴィチュニーの演出で,すでに10年たった演出でもあり,コンヴィチュニーとしては先鋭的ではない。なんだか変なところもあったが,まあわかりやすくできている。何度も見たいとは思わないけれど。
 動きの軽いやんちゃなタンホイザーがおもしろかった。ヴェヌスブルクの場面にはバレエがなく,ヴェーヌスの周りの女性は合唱団の人たちで,タンホイザーの人形をもてあそんでいた。最終場面では,ヴェーヌスがタンホイザーとエリーザベトを抱きかかえたまま幕となる。
 歌手ではエリーザベトのシュヴァンネヴィルムスが声・姿とも吉。

 そのエリーザベトが,『ばらの騎士』では元帥夫人になって登場した。ラウフェンベルクという人の演出で,舞台は20世紀半ばという設定らしいが,第1幕では古い『ばらの騎士』の舞台の元帥夫人の部屋がはめこんであり,貴族の没落が台本では「予感」だったのが,現実のものとなっている。
 オックス男爵は久しぶりのクルト・リドルで,かなりの年だと思うが声はつややか。非常に上品なオックスだった。ゾフィーは森麻季で,役にふさわしい透明な声と細い身体の持ち主。カーテンコール時のブーには賛成できない。オクタヴィアンも,あまり男役っぽい声ではなかったが立派。
 『ばらの騎士』は1981年の来日時にも上演された。まだゼンパーオーパーが再建される前で,舞台装置は簡素,歌手も超一流とは言い難かったが,オーケストラは当時も超一流だった。ホルンのペーター・ダムやオーボエのクルト・マンなどが活躍していたころである。

 ドレスデンで初演された演目ばかりの今回の公演,残るは『サロメ』である。

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土曜日にドレスデン国立歌劇場の『タンホイザー』を観てきた。演出 は、いまだ相性の悪いコンヴィチュニー。 [Read More]

Tracked on Nov 24, 2007 at 10:19 AM

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