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Nov 10, 2007

ギャルド――夢の楽団との再会

 先日,ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の演奏会に出かけた。ギャルドを聞くのは1993年以来で2回目になる。
 吹奏楽におけるギャルドは,たとえていえば,管弦楽におけるウィーン・フィルの256倍とは言わないが,まあ3倍ぐらい特別な,唯一無二の存在である。「ギャルド・レピュブリケーヌ」というのは republic の guard,すなわち「(フランス)共和国防衛隊」であり,軍服を着て演奏するが,その入団資格はパリ音楽院首席卒業(またはそれと同等)で,超一流の管楽器・打楽器奏者の集団である。
 当日の客席は,自分を棚に上げて言うが,異様に平均年齢が高かった。

 演奏されたのは,トゥーランドットのセレクションを除いてはフランスの管弦楽曲の編曲で,「ローマの謝肉祭」序曲,「ダフニスとクロエ」第2組曲,「ラ・ヴァルス」,「ボレロ」など。その暖かく豊麗なサウンドはやはり独特のもので,特別な存在としてのギャルドを大いに楽しんだ。先代の楽長ブトリー時代にはやや乾いた響きになっていたが,ある意味ではその前のブラン楽長またはそれ以前の響き(レコードでしか知らないが)に回帰したともいえる。
 「ボレロ」の各ソロはまことに鮮やかで,ぜいたくな音の宴だった。
 ただし,管楽器の音色がインターナショナル化しているのはフランスでも顕著で,昔なら独特のヴィブラートがかかっていたホルンもかなりおとなしかった。ただ,バソン(フランス式のファゴット)は,楽器が独特だということもあって,「健在」である。

 指揮者のブーランジェは後半暗譜だったが,アンコールになって譜面台が出てきた。何をやるのだろうと思っていたら,まずは譜面台と関係なく,「熊蜂の飛行」。これが史上最高速ではないかと思われるスピードだった。譜面台が必要だったのはその次で,なんと「涙そうそう」。トランペットが,それまでとはまったく違う音色でメロディを吹いていた。でも,何もギャルドにこれをやらせなくてもと思わずにはいられなかった。(たぶん,トランペットのナカリャコフがソリストとして他のプログラムでは登場するので,彼を入れたアンコールとして用意したものだろうとは思うが。)
 その後,前楽長時代からのアンコールピース「カルマニョル」(フランス民謡によるマーチ)でパワーを全開してお開きとなった。

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