« 自転車――傘・人感・両手離し | Main | 長崎からは東京より上海の方が近い »

Nov 05, 2007

美しき山々

 先日の『モーゼとアロン』の作曲者シェーンベルクについては,「十二音音楽」というスローガンばかり先に知っていたが,長い間,聞く機会はめったになかった。オーケストラの演奏会では,むしろベルクやウェーベルンの方が時々は演奏されていて,オペラでもベルクの『ヴォツェック』には接する機会があった。

 たぶん1976年~78年ごろだったと思うが,マウリツィオ・ポリーニのリサイタルを聞きに行った。メインプロはブーレーズのピアノ・ソナタ第2番だった。なんだかすさまじい響きで,しかも40分かかる大曲,技術的には超難曲だとのことで,圧倒されっぱなしでわけのわからなまま終わった。
 その後でアンコールに演奏されたのがシェーンベルクの小品で,ブーレーズの後で聞くと,実にかわいらしく,美しく,ロマンチックにさえ聞こえた。

 もっと前,学生時代に,おもしろいところがある,と先輩に連れて行かれたのが中野にあった古い名曲喫茶「クラシック」だった。ギシギシいう階段を上ると,店の中は叙情纏綿の弦楽の響きに包まれていた。だれの曲だろう。マーラーを知っていればマーラーかなと思っただろうが,当時マーラーはかろうじて「巨人」をちょっと知っているという程度だった。
 終わって曲名が告げられた。シェーンベルクの「浄められた夜」の弦楽合奏版だった。

|

« 自転車――傘・人感・両手離し | Main | 長崎からは東京より上海の方が近い »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23118/16983221

Listed below are links to weblogs that reference 美しき山々:

» 都話§東京生活…9~中野~ [ひだまりのお話]
中野、今はなき“クラシック”に入り浸っていたことがある。 [Read More]

Tracked on Nov 06, 2007 at 10:24 PM

« 自転車――傘・人感・両手離し | Main | 長崎からは東京より上海の方が近い »