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Dec 23, 2007

中島敦と岩田一男

 だいぶ前のこと,神奈川県立近代文学館へ中島敦展を見に行ったことがある。
 その展示物の中に,岩田一男あてのはがきというのがあった。中島敦が横浜の女学校の教師をしていたのは知っていたが,そのときの同僚の英語教師に岩田一男がいたのをそのとき初めて知った。
 岩田一男は,一般にはもう忘れられているようで,Wikipedia に項目がないが,60年代前半の大ベストセラー『英語に強くなる本』の著者である。長いこと一橋大学の教授をしていた。

 『英語に強くなる本』は,たぶん出てすぐ父が買ったとみえて家にあったので,ちょっと開いてみたらこれが子供にもおもしろく,当時中学に入る前で英語は何も知らなかったのに,英語のところは抜かして読んでしまった。トイレに入っていてノックされたときに「だれかがいます」というのだとか,道に迷って「ここはどこですか」ときくには「私はどこにいますか」という,といった導入部は,今も記憶に残っている。
 今思うと,肝心の英語を抜かして読んでもおもしろいというのは希有のことであり,それだけ本の出来が良かったのだろう。ずっと後に知ったのだが,その功績のかなりの部分は,カッパブックスを創刊した神吉晴夫の功績のようだ。

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