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Mar 12, 2008

バッハの「トラベルセット」

 昔の私の周囲のアマチュアオケ関係者の間では,「トラベルセット」という言葉は,バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 E-dur のガヴォットを指す。
 1970年ごろだと思うが,資生堂のテレビ・コマーシャルで,このガヴォットの初めのところを女声のグループが「トラベルセットがあ・た・る~」という歌詞で歌っていたのである。

 先日,たぶん十数年ぶりにこの無伴奏ソナタとパルティータ(各3曲)のCDを聞いた。
 パルティータは舞曲からなる組曲である。その第2番の終曲が有名なシャコンヌで,確かにシャコンヌは舞曲だが,第2番のそれまでの4曲を合わせたのと同じくらいの長さがあり,なんともアンバランスで,もはや舞曲集の枠を大きくはみ出している。
 ソナタの方はいずれも第2楽章がフーガになっている。昔初めて聞いたときに,ヴァイオリン1つだけで精巧なフーガになっているのに驚いたが,その後何度聞いても感嘆するほかはない。重音を使って2つめ,3つめの声部を奏するわけで,その書法はきわめて不自由なのだが,骨格を示して聞き手の想像力を刺激し,スケールが大きい。特に好きなのは「ロンドン橋フーガ」――というのはソナタ第3番 C-dur の第2楽章で,「ロンドン橋が落ちる」に似たテーマによる壮麗なフーガが繰り広げられる。

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Comments

えーと、無伴奏ヴァイオリンパルティータのガヴォットを初めて聴いたのが1974年でした。だから資生堂のTVCMはもっと後のことだろうと自信を持って言えますw

>「ロンドン橋が落ちる」

これは、何と言うか物凄くよくわかってしまいます。

Posted by: HIDAMARI | Mar 20, 2008 at 11:02 PM

コメントありがとうございます。「トラベルセット」は何となく学生時代だったような気がしていました。(74年以降だと私は就職していて,テレビを見る時間が非常に少なかった…。元々あまり多くはなかったのですが)。

Posted by: 家主IZK | Mar 30, 2008 at 07:39 AM

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