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Mar 05, 2008

ホール・オペラのヴェルディ

 サントリーホールの「ホール・オペラ」のシリーズは,89年以来何度も聞いた。最初のころはほぼ「演奏会形式」で,歌手と譜面台がずらっと前に並んでいたが,次第にオペラらしくなり,オーケストラがステージ(のやや後方)にいることを除いては「ほとんどオペラ」になった。
 今年からは路線が変わってモーツァルトのシリーズだが,ずっとヴェルディとプッチーニが主だった。

 90年の『シモン・ボッカネグラ』は,1989年末のルーマニア革命の直後だった。たまたまルーマニア出身の歌手がいたこともあって,プロローグで合唱が「貴族を倒せ」とさけぶあたりは妙に現実感があった。

 91年の『オテロ』では,指揮者がステージにいるホール・オペラならではのできごとがあった。終演後盛大な拍手がひとしきり続いた後,指揮者のグスタフ・クーンが指揮者用譜面台の上に置かれていた青緑色のスコアを手にして,高く掲げたのである。それは「演奏者に対する拍手をありがとう。でも,いちばん偉いのは作曲者のヴェルディ。讃えられるべきはヴェルディです。」という意味であることが「文脈」から直ちに聴衆に理解され,ホールはさらに盛大な共感の拍手に包まれたのだった。

PS ジュゼッペ・ディ・ステファノの訃報が昨日の夕刊に出た。

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