初演から27年後の『ポーギーとベス』
先日,友人のヴィオラ奏者が,ピアノ伴奏の編曲作品による演奏会を開いた。その曲のひとつに,ガーシュイン=アーノルド編「『ポーギーとベス』による大幻想曲」というのがあった。すぐれた歌の作り手であるガーシュインのメロディの魅力を伝える編曲・演奏だった。
『ポーギーとベス』は,中学の時に吹奏楽で演奏した思い出の曲である。「サマータイム(Summertime)」「ああ、おれにはないものばかり(Oh, I Got Plenty O' Nuttin')」「ベス、お前はおれの女だ(Bess, You Is My Woman Now)」「いつもそうとは限らない(It ain't necessarily so)」などからなるハイライトで,こうした曲名も,オペラのかなりひどいあらすじも,そのときは知らなかった(聞いたところでとてもぴんと来なかったと思うが)。
それまで行進曲以外では「軽騎兵序曲」などを演奏していたが,個人的にもまた部にとっても,本当にジャズ的なハーモニー・リズムの曲は初めてだった。結局のところ,どたどたした行進曲かジンタのような演奏になったのはやむを得ないことだろう。2拍を3つに分ける三連音符にも,ここで初めて出会った。
前に,『ウェストサイド物語』のハイライトを,その初演の7年後に演奏したと書いたが(→参照),調べてみると,その前年に演奏した『ポーギーとベス』もそのとき初演からわずか(!?)27年の新しい曲だった。
その後,『ポーギーとベス』は,いくつかの曲がジャズ・ナンバーとして演奏されるのを聞いたことはあったが,オペラとしての全容に接したのは上記の演奏から30年近くたった1991年2月のゴールドマン・カンパニーという団体の上演が初めてだった。続いて,その5年後にはヒューストン・グランドオペラが上演した(このとき,いとやんごとなき家の次男の奥方が来場した)。
サイモン・ラトルとグラインドボーン音楽祭のメンバーによるLDが出たのも92年ごろだった。ちなみに,このLDは15000円だった(今はもちろんDVDになっている)。
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