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July 2008

Jul 30, 2008

薩摩鉄道紀行   (4) 肥薩オレンジ鉄道

 翌日は,新幹線開通と共にJRから切り離された肥薩オレンジ鉄道と,その前後の鹿児島本線に乗ってみることにした。トンネルだらけの新幹線とは対照的に,海の眺めがすばらしいことは,10年ほど前に体験済みである。
 窓口で,鹿児島中央―(JR)―川内―(肥薩オレンジ)―八代―(JR)―熊本という切符を買おうとしたのだが,かなり手間取ったあげく1枚では発券されず,八代を境に2枚に分かれた。元々1本の道なのに,こういう切符を買う人は少ないようだ。

 9:39 土日運転の快速「オーシャンアローさつま2号」出水行きで出発。肥薩オレンジ鉄道の車両で,1両のワンマン運転である。リュックを背負った少年をお母さんと妹が見送っていた。いかにも夏休みという風景である。
 足のような形の薩摩半島の足首のところを2駅のみの停車で横断し,10:24 川内(せんだい)着。ここから肥薩オレンジ鉄道となる。運転士が交代し,アナウンスが丁寧になった。約20人の乗客で出発。
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 川内から,新幹線は山の中を出水へ直行するが,こちらは海岸沿いを走る。川内を出て10分ちょっとで,左手に青い天草灘が広がった。西方の手前の「人形岩」が見えるところで停車して,運転士から説明があった。
 阿久根でリュックの少年が下車し,おじいさん・おばあさんの出迎えを受けた。他の客もかなり入れ替わる。
 車内には,肥薩オレンジ鉄道の「このままでは(経営が)危機的」という広告があった。沿線の30万人が年に1回乗ることを訴えている。それほど乗客が少ないということだろう。少ないところだけを切り離したのだから当然なのだが。広告もなかなか集まらないと見えて,車内の広告も自社のものが多い。
 次の折口で海と別れ,11:21 この快速の終着駅・出水に到着した。隣にそびえる新幹線の駅の方へ行って駅弁を買う。

 11:40 あとからやってきた各駅停車で出発。次の米ノ津(こめのつ)では長いコンテナ貨物列車との交換があった。在来線がないと物流は不可能だということをあらためて知らされた。
 左手に再び美しい海,こんどは八代海が見える。薩摩から肥後に入った。最後は乗客40人ほどで,終着の八代に 13:01 着。ここから再びJR鹿児島本線に熊本まで乗り,4時間あまりの在来線の旅を終えた。

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薩摩鉄道紀行   (3) 西大山,開聞岳,そして枕崎

 2両編成の枕崎行きにすぐ乗り換えて,16:51 発。エンジン音が高くなり,かなりの急勾配を登っていく。左手に海が見え,少し下ると山川駅に着く。5分以上止まってから発車した。車両の端に座ったせいもあるかもしれないが,揺れが激しい。絶えず10cm以上動かされ,ついにはシートが外れてしまったので自分で元に戻した。
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 山川から先では,海はほとんど見えない。線路はぐるっと南へ回るが,その「頂点」にあるのが北緯31度11分の西大山駅で,沖縄のモノレールを除いて,最南端の駅である。下車はできなかったが,これで最北・最西・最南の駅を訪れたことになる。
 枕崎線の Deep South 部分のハイライトは開聞岳である。開聞岳は標高922mほどだが,海岸から 2km のところに山頂があり,整った円錐形の姿がまことに美しい。
 その後はひたすら西に走って,18:09 終着の枕崎に到着した。

 東京と枕崎で経度が10度近く違うので,日の入りは40分ほど遅い。6時を過ぎても太陽はまだかなり高いところにあり,暑かった。あらためて地図を見ると,枕崎から鹿児島中央までは直線距離だと約40km,鉄道は三角形の「他の2辺」を走っている。
 枕崎駅は,当然行き止まりホームだが,出口方向には建物がどーんと立ちふさがっていて,下車した客は細い路地を通ってその建物を迂回するとようやく駅前広場に出られるようになっていた。
Img_3466 滞在14分,18:23 発で折り返し,こんどは暮れなずむ開聞岳を眺めた。山川で乗り換えるころにはだいぶ暗くなり,鹿児島湾は夜景も美しかった。20:52 鹿児島中央着,往復280分の旅だった。

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Jul 27, 2008

薩摩鉄道紀行   (2) 鹿児島湾と桜島

 鹿児島中央駅は,新幹線開通と共に西鹿児島を改称したもので,かつてのこぢんまりした終着駅からは想像がつかない華麗な大ターミナル駅に変身していた。
 指宿枕崎線は,昔と同じく地上にある在来線ホームから出発する。この線は 87.8km もある長大路線で,片道2時間20分以上かかる。しかも,途中の山川(指宿のひとつ先)から先は1日6往復しかないので,明るいうちに全線乗れる列車の選択肢は少なくて,結局 15:40 発の特別快速「なのはなDX 7号」に乗ることにした。

 「なのはなDX」は,その名の通り鮮やかな黄色い塗装で,3両編成,ほぼ満席で出発した。2つめの南鹿児島の手前から市電の立派な複線専用軌道が左に並行する。宇宿(うすき)・谷山間では,市電の終点の谷山も見えたが,JRの谷山駅とはずいぶん離れている。
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 谷山で交換があり,坂之上を過ぎると左に鹿児島湾が広がり,桜島が見えるようになる。この後,平川あたりからずっと海沿いを行く。快速なので全部で6つほど通過駅があり,いずれも鹿児島湾沿いの駅である。途中,ちょっとした岬のところにトンネルがあった。薩摩今和泉では,テレビドラマの主人公篤姫ゆかりの地だという案内があった。
 最後に海から少し離れて三角形の岬の底辺を走り,16:39 指宿着。

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薩摩鉄道紀行   (1) リレーつばめ & つばめで南へ

 九州へは何度か行き,すべての県で宿泊したことがある。鹿児島へも2,3回行き,鉄道名所である肥薩線のループ+スイッチバックも体験したが,もっとも南を走るJR線である指宿枕崎線にはこれまで時間がなくて乗れなかったので,今回九州へ行く機会に乗りにいくことにした。
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 久大本線沿線の某駅を朝出発,美しい緑を見ながらまずは久留米へ。久留米ですぐ鹿児島本線の「リレーつばめ」に乗ろうと思ったが,やってきた列車の自由席は立ち客多数だったので,やめて途中下車した。結局,2本後の「リレーつばめ」およびそれに接続する「つばめ」の指定券を買い,ゆっくり久留米ラーメンを食べて時間をつぶす。
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 12:40精悍な黒い車体の「リレーつばめ」で久留米発。指定された席は,グリーン車なみの3列シートの非常にゆったりした席だった。75分で新八代着,同じホームの向かい側の白い車体の「つばめ」に乗り換える。聞いていたとおり,「つばめ」の座席は背が木で,他の新幹線とは雰囲気が大きく異なる。7割がトンネルの半地下鉄状態で,わずか40分で鹿児島中央着。

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Jul 20, 2008

いま鹿児島

九州の久大本線沿線の某温泉で「用事」が終わり、昨日九州新幹線にも乗って、鹿児島にやってきました。沖縄モノレールを除いて日本でもっとも南を走る鉄道「指宿枕崎線」88kmを往復しました。詳しくは、帰ってから書きます。

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Jul 11, 2008

ブログが本に――『Bloghissimo 神保町便り 2』

 2006年4月,このブログの最初の2年分が本になった。これは,ブログを書籍化するサービス MyBooks の開始に当たり,某仕掛け人の求めに応じてサンプルとして当ブログのデータを提供したものだった(→参照)。
 今年3月のブログ4周年のときに軽く予告したが,こんどはこちらから発注して,その後の2年分をまとめることにした。MyBooks のサイトに登録し,MT形式のテキストファイルを送ると,あっという間に自動的にpdfファイルが作成される。pdfファイルで体裁と内容の検討を行い,テキストファイル上で内容の修正・調整をしてもう一度pdfファイルを作成してもらう,というやりとりを結局10回以上行って(これは何度でもできる),校正を終えた。

 今週,その本『Bloghissimo 神保町便り 2』ができあがった。開催中の東京国際ブックフェア(東京ビッグサイト)には MyBooks のブースがあり,そこで見本としてこの本も陳列されている。
 2年前と比べると,表紙のデザインが多彩になり,カバーをつけることができるようになった。また前は目次は本文の後ろだったのが,前に置くことができるようになるなど,いろいろな点でサービス内容は進歩している。
 昔,鉄道紀行文集を自費出版したことがあったが,それよりはるかに安く手軽に「著書」が作れる時代になった。

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Jul 09, 2008

初めての入院 (3)

 食事はずっと「常食」で,その日(土曜日)に翌週の食事のメニューが配られ,翌日の日曜日からの食事を各2種類の中から選択できるようになっていた。朝はパン2枚,昼・夜はかなり大きな茶碗のごはんで,けっこうボリュームがあった。
 朝,および時に夜にも,フロアに設けられた眼科の診察室で診察があった。さらに,外来の診察室に呼ばれて,車いすで出かけることもあった。看護師さんは交代勤務だが,医師は早朝から夜までの長時間勤務である。
 ナースステーションに近い部屋だった。ナースコールのボタンが押されると電子音の「エリーゼのために」が鳴り,エリーゼたちが走っていく。

 その後経過はほぼ順調で,少し腫れが出て朝夕点滴を受けることもあったが,それ以外はフロア内は自由に歩いてよいということになった。といっても行くところはデイルームというサロンのような部屋しかない。そこではケータイが使えるので,メールと電話で仕事上の連絡をとったりした。
 テレビも少しは見た。野球のほか,ふだん見られない囲碁・本因坊戦の中継を見た。

 火曜日,外来の診察室での主治医と違う医師の診察などを経て,翌水曜日または木曜日に退院してよいということになった。右目はまだぼんやりとしか見えないが,次第に濁りがとれて見えるようになるという。その後の調整の結果,水曜日午後退院が決まった。
 水曜日,朝,最後の診察。入院中は洗髪,電動歯ブラシ,電気カミソリなど,頭に直接振動を与えるような動作は禁止だったが,それも「解除」となり,「ダイビングと格闘技はダメだが,普通の日常生活を送ってよい」ということになった。
 結局,5泊6日の入院初体験だった。

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Jul 08, 2008

初めての入院 (2)

 夕方,何本か注射をされ,6時過ぎに車いすに乗せられ(これも初体験),手術室へ移動した。別の椅子に乗り換えると,背が倒れてそれがそのまま手術台だった。点滴の針や心電図のセンサーがつながれて複雑ひも付き状態になり,何度も何度も「右目」という確認が行われて手術が始まった。
 局部麻酔なので,右目の周辺以外は感覚があり,音も聞こえるし,話そうと思えば話すこともできる。右目も,もちろん痛くはないが,もしかしたら何かで突き刺されたのかなというような感じが伝わってくる。恐怖感はあるが,まさにまな板の鯉でどうしようもない。腹が減ったな(夕食は抜きだった),明日の朝は食事できるのかな,などということを考えるようにした。左目も眼帯で覆われているので何も見えないが,若手の2人の先生に次々と指示する声が聞こえ,緊張が高まったあと,1段階終わって少しほっとしたりするような様子がわかる。

 さすがに空腹も忘れ,何も考えない状態がかなり続いて,ようやく終了した。帰りの車いすの上で看護師さんに時間をきいたら「もうすぐ9時です」という。予定より長く,2時間半かかったことになる。
 病室に戻るとまず,2時間うつぶせで安静にし,その後は,朝までうつぶせまたは右を下にして寝るように指示された。

 少しの間寝付けなかったが,結果的には朝までぐっすり寝た。検温・血圧測定,診察など「朝飯前」の行事があったあと,8時過ぎ,18時間ぶりの食事にありつく。
 午前中の主治医の診察で,結果は「バッチリOK」とのことで,まずは一安心。フロアに1つケータイを使える場所があるので,このブログを初めてケータイから更新し,「速報」を掲出した。

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Jul 07, 2008

初めての入院 (1)

 いろいろ書きたいことがたまっているが,まずは入院・手術の顛末を――

 6年前に右目に飛蚊症が現れたので,眼科に行ったことがある。このときの検査では特に危険な要素はないということで,「要観察」となった。その後ずっと変化はなく,目の中のゴミには慣れてしまってほとんど気にならないという境地に至っていた。
 それが,今年6月18日ごろ,右目に急にゴミが広がり,一面にごく細かい泡が出て,全体として少し霞んだようになった。細かい字も読めるので日常生活に困ることはなかったが,まあ一応見てもらうか,というような比較的軽い気持で,6月27日(金)の朝,某大学病院の眼科に出かけた。

 ところが,診察の結果,網膜剥離が起きていて,今後急速に拡大する可能性があるので,なるべく早く手術した方がいい,というご託宣が出た。手術は1~2時間,入院は1週間程度が標準だという。説明を聞きながら数十秒検討し,「すぐ入院・手術」をお願いすることとした。
 ばたばたと調整の結果,緊急入院という扱いでそのまま入院して「今夜手術」ということになって,レントゲン撮影,採血,アレルギーのテストなど手術前の各種検査に走り回った。合間に会社や家族へ電話するなどした。
 午後には会社へ行く予定だったので背広にネクタイのまま,午後2時過ぎに入院先の部屋に案内された。今までにお見舞いには数知れず来ているが,入院は初体験である。それから病院内の売店に行ってパジャマやタオル,スリッパを買い,弁当を買って遅い昼食とした。
 たった4,5時間前には思いもかけなかった事態になった。

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Jul 02, 2008

本日退院

 禁固6日で,本日退院しました。ゆっくり社会(リアル,ネット)復帰します。
 入院ということ自体,生まれて初めてで,いろいろ興味深い体験でした。

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