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Aug 30, 2008

トロンボーンのスラー

 今のNHKの朝の連ドラ『瞳』のテーマ音楽は,トロンボーンのソロで演奏されている。
 トロンボーンはオーケストラでは常に3本1組(ビッグバンドではたいてい4本1組)で,時に「タンホイザー」序曲のようにユニゾンで他を圧倒することもあるが,通常はハーモニーを受け持ち,ソロを聞く機会は非常に少ない。すぐ思い出すことができるのは,モーツァルトの『レクィエム』の「不思議なラッパの響き」と,マーラーの交響曲第3番の第1楽章ぐらいである。

 『瞳』のテーマ音楽はソロで,しかもスラーの多い曲である。
 管楽器は通常スラーの途中ではタンギング(舌をつく)しないで滑らかに音を続ける。しかしトロンボーンの場合は,スラーだからといってタンギングしないでいると,スライドを動かす間に短時間他の音が入ってしまうので,軽くタンギングして間に余分な音が入らないようにするという。スライドという構造は,傍目にはスラーに適しているように見えるが,実はスラーは難物なのである。
 こうして演奏されるトロンボーンのスラーは,ちょっと鼻が詰まってフガフガいっているような感じで,よく言えば独特の味がある。しかし,吹奏楽を知る者にとっては,トロンボーンに苦労させるよりも,音域が同じユーフォニウムで吹けばいいのに,と思ってしまう。

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