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Oct 06, 2008

婉曲に――Fのこと

 中学でドイツ人神父に理科を習ったときのことである。天秤と分銅数個を使って重さを測るに際して,先生は分銅に名前をつけた。「フンドーA」「フンドーB」の次の「フンドーシー」で生徒はどっと笑った。先生は一瞬とまどったがすぐ気がつき,別の名前にした。「フンドー1」「フンドー2」「フンドー3」そして「フンドー4」――結果は同じだった。

 学生時代の友人某の家では,お父さんが越中褌を愛用していた。お母さんや兄嫁など女性陣は,洗濯の関係などでこれに言及しなければならないときは,「褌」という言葉を口にするのをはばかって,「F」と呼んでいた。
 昔,女性の腰巻については「ゆもじ」という婉曲語があったが,男性用についてはわからない。婉曲語を使おうとするような階層の人にはFは縁がなかったのだろうか。

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Comments

僧房に入ってから越中褌を愛用して40年余り。私の周りでは普段は「下帯(したおび)」と呼んでおります。

母が亡くなる直前、肌襦袢数枚と越中褌30枚を縫ってくれました。死の訪れを予感していたのでしょうか、「お前が直接肌身に着けるものを元気なうちに縫っておきたかった」と申しておりました。この母も越中褌のことを普段は越中、人前では下帯と呼んでおりました。

Posted by: 珍念 | Oct 11, 2008 at 03:04 PM

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