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Oct 17, 2008

『居酒屋ほろ酔い考現学』

 橋本健二『居酒屋ほろ酔い考現学』(毎日新聞社)を読んだ。著者の専門は社会学で,この本も「趣味と研究を兼ねて居酒屋をフィールドワーク」した成果である。
 この本は,書店では飲食店ガイドのところに置かれていて,実際,そうした「実用的」な用途にも応えられるだけのデータは載っている。著者の観察は細かく,暖かい目で紹介されていて,それはそれで楽しい。
 しかし,実はこの本は,格差社会とはどういうものなのかを突きつける書なのだった。著者によれば,何日かに一回居酒屋に寄るのはごく「普通の暮らし」だったのだが,近年大きく変わり,1989年から15年間で,大部分の所得階層で1か月あたりの飲酒代が2分の1から3分の1に激減しているという。また,東京の中での地域格差もより顕著になってきているという。暖かい目と鋭い目が交錯している。

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