« フェルメールが7点 | Main | 婉曲に――Fのこと »

Oct 02, 2008

燕尾服と支度部屋

 英語で大相撲の「(組織としての)部屋」は stable,「支度部屋」は dressing room というのが普通である。すなわち,相撲部屋は「馬屋」であり,支度部屋は劇場やホールの「楽屋」と同じということになる。
 しかし,楽屋と違って,相撲の支度部屋はむしろ undressing room じゃないの,と思ったりもする。

 それで思い出したのは,アメリカのプロのオーケストラにいたことのある知人(日本人男性)に聞いた話である。
 あるとき,同僚の女性から「Shall we dress up tomorrow?」と聞かれた。「明日の(演奏会本番の)服装は正装だったかしら?」という意味である。この場合の dress up は,男性は燕尾服,女性は黒の上着とロングスカートを着ることを指す。翌日の演奏会は正装ではないので,彼はとっさに「No, dress down.」と答えたところ,聞いた女性は笑いながら「私を脱がせたいのね」と応じたという。
 dress down には「(正装でなく)略式の服装をする」という意味があるから,彼の答えは決して間違っていないのだが,ちょっとからかわれたというわけである。

 燕尾服は世間では「超正装」だが,プロのオーケストラのメンバーにとっては本番の衣服のひとつで,感覚としては一種の作業服だという。
 NHK交響楽団で団員による釣りの会が催されたとき,「汚れてもいい服装で来てください」という注意書きがあったので燕尾服で来た人がいた,という話が,昔のN響のプログラムに(昔話として)載っていたことがあった。

|

« フェルメールが7点 | Main | 婉曲に――Fのこと »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23118/42658704

Listed below are links to weblogs that reference 燕尾服と支度部屋:

« フェルメールが7点 | Main | 婉曲に――Fのこと »