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Dec 11, 2008

石田千『踏切みやげ』

 「鉄」としての興味と俳句への興味から,石田千『踏切みやげ』(平凡社)を読んだ。『彷書月刊』(→参照)に連載されているエッセイ38篇をまとめたもので,各篇とも最初に一句あり,その後に踏切探訪の記が続く。(平凡社は,昔私が住んでいた場所のすぐ近くに移転していた。)
 訪問先は東京とその周辺が多いが,旅先でというのもあって,友人との旅行で,著者が踏切を渡ってまた戻ってくるのを友人が待っている場面もあったりする。踏切だけではなく,街を観察し,人を眺め,食べ物屋に入り,時にビールも飲む。
 この著者の本は初めてだった(実はかなりの著書がある人だった)。どこにも性別は書いていなくて,まあ雰囲気から女性だろうと思ったが,なかなか「確証」を得られなかった。女性であることがはっきりしたのは,本の後半,立ち寄った銭湯でのおばあさんたちの入浴風景が描かれているところでだった。著者は,踏切を探訪するとしばしば風呂屋にも寄る。

 鉄道趣味にはいろいろな「ジャンル」があるが,踏切の探訪・観察も,多数派ではないかもしれないが確固たる分野であり,「専門書」も出ている(例:→参照)。しかし,これだけ文学的な踏切本は初めてである。

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