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Jan 14, 2009

倉庫へ1日3往復――アルバイトの思い出

 遠い学生時代に,ある会社の都内の本社と郊外の工場・倉庫との間を書類を持って往復するというアルバイトをしたことがある。
 それは日本橋に本社のある寝具の会社で,着いてみると会社というより商店だった。入口では風呂屋の番台のような感じでおじさんがにらみを利かせていた。友人からの指示のとおりに「口上」を述べると,おじさんは奥に向けて「バイトさんだよ」とどなった。
 簡単な説明を受け,運ぶべき書類と,電車の定期,自転車のカギを渡された。地下鉄を1回乗り換えてあとは郊外の駅まで直通で,乗っている時間は40分ほどである。駅の自転車置き場にある「社用車」に乗り,10分あまりで工場の片隅の事務所に着いた。そこで,こんどは本社へ運ぶ書類を受け取り,引き返す。時には書類だけでなく,布地や綿・羽毛の見本なども運んだ。
 友人の都合が悪いときの穴埋めだったので不規則に断続的に計20日ぐらい,通常1日3往復した。バイト代はあまりたいしたことはなかったが,往復の電車で本が読めるのがありがたかった。このときに駒田信二訳の『水滸伝』を読んだ覚えがある。接続が良くて少し時間に余裕ができたときなどには,駅の反対側の某大学をちょっとうろついてみたりもした。
 メールはおろか,ファックスもない時代だった。ファックスが企業に普及し始めたたぶん70年代末ぐらいには,こうしたアルバイトは必要がなくなったはずである。

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