« メンデルスゾーンの 30枚組CD | Main | 映画館でオペラ METライブビューイング »

Feb 07, 2009

浅間山と磐梯山

 2月2日に浅間山が噴火した。
 地質学の研究者だった友人が海外の火山の調査中に事故で亡くなっているから,火山のニュースがあるとかすかに胸の奥がうずく(→参照)。

 かつて立原道造はソネット「はじめてのものに」

  ささやかな地異は そのかたみに
  灰を降らした この村に ひとしきり
  灰はかなしい追憶のやうに 音立てて
  樹木の梢に 家々の屋根に 降りしきつた

とうたった(詩集『萱草(わすれぐさ)に寄す』所収)。長い噴火の歴史の中では今回も「ささやかな地異」なのだろうが,今回は灰は「この村」だけでなく,東京にも降ったようだ。
 立原が滞在したのは軽井沢だが,浅間山の噴火による溶岩流で集落が呑み込まれたのは北側の鎌原(かんばら)村(現在は群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原)である。1783年,天明の大噴火のときのことだった。だいぶ前,鬼押し出しの浅間火山博物館でこのときの鎌原村についての展示を見て息をのんだことがある。

 小説で噴火がテーマになっているのは,井上靖「小磐梯」という短編である(初出1961;文庫本では『楼蘭』所収)。1888(明治21)年の磐梯山の大噴火のときの物語で,短いながら,自然の力に畏怖させられるような迫力がある。
 磐梯山は,このとき山頂が吹っ飛んで,今のように2つの峰が並び立つ形になり,土石流で川がせき止められて五色沼ができた。小学生の時,初めて首都圏以外に出かけたのが福島で,観光バスで裏磐梯めぐりをしたが,そのときも五色沼の成り立ちについてガイドさんの説明があったと思う。噴火は,同行していた祖母が生まれたころのことで,地質学的にはほんとうに「ごく最近」のできごとなのだった。

|

« メンデルスゾーンの 30枚組CD | Main | 映画館でオペラ METライブビューイング »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23118/43980946

Listed below are links to weblogs that reference 浅間山と磐梯山:

« メンデルスゾーンの 30枚組CD | Main | 映画館でオペラ METライブビューイング »