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Apr 18, 2009

新国立劇場の『ラインの黄金』『ワルキューレ』

 新国立劇場の『ニーベルングの指環』の前半『ラインの黄金』(3月),『ワルキューレ』(4月)を見た。キース・ウォーナー演出により,2001年から2004年まで毎年春に1つずつ初演された「トーキョーリング」の再演である。同じ演出の『リング』の2回目を見るのは初めての経験である。
 7~8年も間が空いているので当然だが,忘れていることが多い。特に『ラインの黄金』は,白い舞台に色とりどりの風船が舞う遊園地のような「ワルハラへの入城」の場面はよく覚えていたが,そこに至る場面には見覚えがないところが多かった。それでもその途中で,この後白い場面に鮮やかに転換するから最後が印象的だったのだな,と気づいた。
 そこへいくと,『ワルキューレ』の方が覚えている場面が多かった。のべつ幕なしの序夜と違って3幕に分かれていて,それぞれに特徴的なものがあったからかなと思うが,単に前回の体調のせいもあるかもしれない。『ワルキューレ』で前回もっとも印象的だったのだは3幕の巨大な木馬だったのだが,最後の場面では引っ込んでしまうので,木馬が登場している時間は意外と短かった。
 その最後の炎の場面では,ベッドの周りに本物の火が燃え上がる。真ん中で寝ているブリュンヒルデ役としては怖いだろうなと同情した。

 指揮者は,前回は準メルクル。比較的さっぱり・あっさり系で,演出の「明るさ」の部分によく合っていたともいえるのに対し,今回のダン・エッティンガーは,ゆったり・もっさり系だった。(エッティンガーは新国立劇場には何度も出ていて,これまではそういう感じはあまりしなかったのだが。)それでも,『ワルキューレ』の3幕で,テンポはゆっくりでも気分が前向きになってきて一応のまとまりを見せたのは,『ワルキューレ』という曲自身の持つ力に突き動かされたのかなと思った。
 帰りの電車の中で,オーケストラのヴァイオリン奏者が疲れ果てた表情で座っていた。

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