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May 10, 2009

『赤穂浪士』――テレビと原作

 NHKテレビの「大河ドラマ」の第1作は『花の生涯』(最初,「鼻の障害」と変換された),第2作は『赤穂浪士』(1964年)だった。『花の生涯』はほとんど見なかったが,『赤穂浪士』はかなり見た。この年の東京オリンピックをきっかげにカラーテレビがかなり普及したのだが,うちは白黒(当時,モノクロという言い方はなかったと思う)だった。
 大石内蔵助役は長谷川一夫だった。内蔵助の「おのおのがた」という口調が,ちょっとした流行語になり,学校でも何かというとふざけて「おのおのがた」と呼びかけるやつがいた。若い浪士の矢頭右衛門七役は,「高校三年生」の大ヒット後間もない舟木一夫だった。(あれ,2人は同名だったのか。)
 印象深いのは,芥川也寸志のテーマ音楽である。リズムはオスティナート風に一貫していて,4拍子の2拍目にパシッというムチ(?)の音が入る。テーマが繰り返されるとそこに対位旋律が絡んできて,寄せては返すような起伏が作られていた。

 ずっと後に,原作の大仏次郎『赤穂浪士』を読んだ。ストーリーはもちろん史実通りだが,タイトルが示すように浪士たちの姿を描くのが物語の中心である。多くの浪士は単独でそれぞれに生活している。そのばらばらの動きが,討ち入りに向けてまとまっていくさまは,まさに小川が合流して大河になるようで,巻を措くあたわずという感じで読んだ。
 ずいぶん時間がたっていたので,読みながらテレビの場面を思い出すことはほとんどなかったが,架空の人物である蜘蛛の陣十郎については,宇野重吉の顔を思い浮かべた。

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