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Jun 27, 2009

「異稿・編曲」CDの本

 近藤健児『クラシックCD 異稿・編曲のたのしみ』,近藤健児他『クラシックCD 異稿・編曲のよろこび』(共に青弓社)というクラヲタ度のきわめて高い本を読んだ。半年以上前に買って以来ほっぽりっぱなしだったが,最近読み始めたら,データ本ではあるが読んでなかなかおもしろくできていて,一気に2冊読んでしまった。
 ここで異稿(この言葉はIMEで変換できなかった)というのは作曲者が改訂して複数の版ができたもののことで,たとえばモーツァルトの交響曲第31番《パリ》の第2楽章が2種類あったり,第40番に楽器編成が異なる2つの版がある,といったものである。編曲については,作曲者自身によるものと,他人によるものがある。
 タイトル通り,この本はCDがあるものを中心にしていて,著者の近藤氏はネットでの調査を基にすさまじい数のCDを購入し,聴いている。2冊目の『よろこび』の方は,ネット経由で協力を申し出た強者4人との共著で,共にネットの時代ならではの本といえる。
 この本がひとつの刺激になって,先日,メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲(→参照)とベートーヴェンの弦楽四重奏曲《セリオーソ》(マーラー編)を弦楽合奏で演奏しているCDを買った。メンデルスゾーンはズビン・メータ指揮イスラエル・フィルの演奏で,1979年の録音だが「First International Release on CD」と書いてあり,『たのしみ』のメンデルスゾーンの項でも触れられていない。(ベートーヴェンはドホナーニ指揮ウィーン・フィル,95年録音)
 もともと弦楽器の八重奏ともなると室内楽の枠を越える寸前のような曲なので,そのまま弦楽合奏で演奏して何の違和感もない。ただし,演奏者の顔ぶれから想像されるように,青春がほとばしる原曲よりだいぶ濃厚・妖艶な演奏である。

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