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Aug 21, 2009

初来日の旅

 川口マーン恵美『証言・フルトヴェングラーかカラヤンか』(新潮選書)に出ていた話だが,ベルリン・フィルが1957年に初来日したときは,南回りの飛行機で52時間かかってやってきたという。私が70年代に1回だけ体験した南回りは23時間半だった(→参照)からその2倍以上,現在のロシア上空コースの4倍以上の時間がかかったことになる。しかも,たぶん今よりずっと小さな飛行機だっただろうから歩き回る場所も少なく,機内はエンジン音が非常にうるさかったはずで,まる2昼夜以上の旅はたいへんな苦行だったに違いない。
 飛行機以前の時代,マルセイユからの船は30日以上かかっていたそうだから,ヨーロッパからのオーケストラの来日など,まったくの夢物語だった。そこへいくと,ヨーロッパと北米東海岸の間は1週間ぐらいで,ドヴォルザークやマーラーに例を見るように,音楽家の行き来は盛んだった。ウィーン・フィルは1920年代に南米に行っているし,ヨーロッパのオペラのシーズンオフにはブエノスアイレスに有名歌手が集まったりしたという。
 北回りの飛行機がすでに飛んでいた70年代に,飛行機が嫌いでシベリア鉄道とナホトカ航路で来日したのが,リヒテルとムラヴィンスキーである。毎回そうだったのかはわからないが,少なくとも初来日のときはシベリア鉄道だった。

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