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Aug 17, 2009

サンマ刺とイカ刺

 東京で,サンマの刺身が大衆的な居酒屋でも食べることができるようになったのは,いつごろからだったか。サンマの上がる港町では昔から刺身で食べていたのだろうが,東京の飲食店では,少なくとも80年代前半にはまだ一般的ではなかったように思う。「目黒のサンマ」以来,サンマといえば塩焼が絶対の存在だった。
 イワシも「足が速い」ということになっていて,刺身で食べるには銚子へ行かないと,などと言われていた。あとは,ホタルイカの生――ゆでていない半透明のホタルイカも,季節には,明け方に富山湾に上がったものがその晩に東京で食べられる。いずれも,冷凍と運送の体制が整ったということなのだろう。

 それとはレベルの違う話だが,二十代の終わり近くなるまで,イカの刺身をあまりうまいと思ったことがなかった。東京でたまに食べる安いイカは,なんだかゴムをかんでいるようだったり,ねちねちしていたり,という感じで,味がいいと思ったことがなかった。
 それがあるとき,仕事で行った鳥取の鮨屋で「今日は何がいいですか」と聞いたら「今日はスルメイカがいいよ」という。聞いた手前,頼まざるを得なくなって食べたイカは,こりこりの一歩手前の歯ごたえと,かすかな甘みがあり,それまでに知っていたイカとはまったく別物だった。

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