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Nov 24, 2009

水上の『ヴォツェック』

 2日続けて,20世紀の対照的なオペラ『ヴォツェック』『カプリッチョ』を見た。

 新国立劇場の『ヴォツェック』は,今年6月の『チェネレントラ』に続いてのバイエルン州立劇場との共同制作で,ミュンヘンでは1年前にプレミエになったもの(アンドレアス・クリーゲンブルク演出)。もともと暗い話で,心楽しく帰るというわけにはいかない曲ではあるが,原曲では最後の場面にしか登場しないマリーの子供が全体にわたって登場し,わずかな明るさがもたらされている(もちろん,歌うのは原曲通り,最後の木馬遊びの「ホップホップ」のみ)。
 舞台には9月の『オテロ』に続いて水が張られ(『オテロ』のときよりは浅いが),人はびちゃびちゃ音をたてて歩き回る。(カーテンコールで,指揮者・合唱指揮者は長靴をはいて登場した。)衣装や小道具がかなり濡れるし,壁には子供が落書きをするので,終演後は次の上演に備えての後始末がたいへんそうだ。

 『ヴォツェック』はこれまでに二期会(若杉弘,1985),ウィーン国立(アッバード,1989),ベルリン州立(バレンボイム,1997)の3回見た。ベルリンのときにアンドレス役だったヴォトリッヒが今回登場し,鼓手長を歌っていた。それぞれの上演の詳細は覚えていないが,そのたびに素晴らしいと思うのは音楽の美しさと,精妙なオーケストレーション。不協和音はたくさんあるが,情念を抑えつつ澄んだ響きにも事欠かない。
 この曲にはバンダ(オーケストラの別働隊)がたくさん必要だが,今回は,そのうちの酒場のバンドは舞台上正面で演奏した。

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