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Dec 11, 2009

仏壇の前のシスター

 五木寛之/対談者:森 一弘『神の発見』(角川文庫)を読んだ。平凡社から単行本で出ていたそうだが,これまで目にとまらず,文庫になって初めて知った。浄土真宗の信徒・五木寛之とカトリックの森一弘司教との対談集である。分類すれば宗教書ということになろうが,もったいぶったところがなく,「聖人」ではない宗教者の考えが,率直にわかりやすく語られていた。
 中に,「異教」「邪教」を含む他の宗教への接し方についての話が出てくる。他の宗教で大切にされている施設等は尊重すべきだ,という趣旨の森司教のことばを読んで,思い出したのは,祖母の通夜のときの光景である。
 私が高校生のとき,祖母が亡くなり,自宅で普通に仏式の通夜があった。伯母の一人(祖母の長女)が当時カトリック系の学校の教師をしていたので,通夜にはその勤務先の同僚の先生方がやってきたのだが,その中にシスターが2人いた。弔問客は座敷に作られた祭壇の前に2,3人ずつ順次座って焼香する。他の「俗人」の先生たちに続いて,シスター2人も正座して,どうするかと思って見ていたら,教会の祭壇でと同様にお祈りを始めた。普通の焼香は数秒で終わるが,シスターたちのお祈りは数秒というわけにはいかず,結局5分近くに及んだ。後ろの人は,せかすわけにもいかず,少々困ったような表情で順番待ちの列を作っていた。

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