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Jan 16, 2010

冬の房総半島――いすみ鉄道・小湊鉄道

 久しぶりに何も予定のない休日の午後,房総半島のいすみ鉄道・小湊鉄道に乗りに出かけた。これまでに内房から外房へこの2線を乗り継いだことはあったが,今回は逆に外房から乗ってみることにした。(参照:「本拠地」の「鉄道の章」の「『車窓伴影』後の断章」中の「房総半島記」)
 他線から遠い京葉線東京駅ホームまで小走りに歩いて,弁当を買う時間もなく,12:00発の特急「わかしお」に乗った。上総一ノ宮で各駅に乗り換え,13:22大原着。駅前の食堂で,カレーライスであわただしく昼食をとる。明るい黄色のゆるいルーに具は豚肉とタマネギのみで,豚肉のカレースープかけご飯という感じのちょっと不思議な雰囲気のカレーだった。

 何もチェックのない改札を入っていすみ鉄道のホームへ行くと,黄色い車両1両のワンマンカーが待っていた。13:50に千葉方向へ出発し,間もなく左にカーブして外房線を離れる。いすみ鉄道は,当然ずっと上り坂だが,単調に上がっていくわけではなく,田畑の中を走ってときどき切り通しで小さな峠を越えるということが多い。P1100459
 乗客に,独り言をいうちょっと変なおじさんがいた。冬なのに窓を開けたので,近くに座っていた中学生ぐらいの女の子が他の席に避難した。運転手に交換(列車のすれ違い)のことを尋ねたりしていたところをみると,鉄道ファンらしい。途中からはずっと居眠りをして静かになったが。

 中心駅の大多喜(おおたき)でかなりの乗降があり,切符販売員(?)も登場した。大原行きと交換して出発すると,右上の丘の上に大多喜城が見えた。
 大多喜から3つめの久我原は,車内の案内では単に「久我原」だったが,着いてみると「三育学院大学久我原」駅と表示されていた。まったくの山の中で,見回しても人家は見えない。後でネットで見たら,昨年夏から3年間の駅名の命名権を販売したとのこと。同大学はこの駅から直線では 1.8km のところにあるが,利用の学生はいないらしく,駅の乗降客は1日平均12人だという。
 終点の上総中野には14:41着。

 上総中野は小湊鉄道との接続駅で,駅名板には「にしはた← →ようろうけいこく」と何でもなさそうに書いてあるが,直通列車はない。P1100466
 駅舎はログハウス風で,適度に古びて貫禄がつき,竹を斜めに切った形で隣にすっくと立つトイレは以前より少し色あせていた。小湊鉄道の列車も到着して,つかのまの賑わいが見られた。P1100488
 小湊鉄道の五井行きは,15:01に2両で発車,小柄な女性車掌が乗っていた(右の写真で車両の外側に取り付いているのがその車掌さんです)。発車後まもなく,断面がΩ形の古風なトンネルをいくつかくぐる。(いすみ鉄道にはトンネルはなかった。)2つドア車両の長大なロングシートは,次の養老渓谷でほぼいっぱいになった。小湊鉄道は,以後ずっと市原市内のみを,ほぼ北に向かって走る。P1100518
 鉄道ファンらしい人も何人かいたが,そのうちの一人のかなり年配の人は,カメラでなくマイクを握りしめていた。車両の中央部でひざの脇でシートから10cmぐらい浮かせてマイクを構え,ずっと走行音を録音していた。

 16:12 終点の五井着。冬の日が傾き始め,広い構内に並ぶ小湊鉄道の車両も赤く輝いていた。P1100531

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