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Feb 20, 2010

新国立劇場の『ジークフリート』

 新国立劇場の『ジークフリート』(「トーキョー・リング」を昨年・今年で2作ずつ再演)は,今回は珍しく初日(2月11日)を見た。『ジークフリート』は「リング」の中のスケルツォとも称される曲だが,明るさが特徴のこの「リング」の中でも,ひときわ楽しい上演だった(その詳細はここを参照)。
 タイトルロールは,2002年のベルリン州立,および2003年のトーキョー・リング初演のときと同じクリスティアン・フランツ。これまでに見た6回の『ジークフリート』のうち3回はこの人だったことになる。英雄的なスケールの大きさはないが,声が若々しいのがよい。休憩時に声量への不満を語っていた人が近くにいたが,私の席ではほとんど問題なかった。ずんぐりしていて童顔なので,見た目の方は,第1幕のやんちゃ坊主にはまあいいけれど…,というところ。
 『ワルキューレ』の最後ではブリュンヒルデのベッドは実際に火に囲まれていたのに,『ジークフリート』第3幕では火はベッドの向こうに少し燃えているだけなので,英雄でなくとも近づくことができるのは,なんだか間抜け。ダン・エッティンガーの指揮は,去年の『ワルキューレ』よりは前進するリズムだった。
 ミーメは,「キャラクター・テノール」を強調しないで,わりと普通のテノールだった。これについては,最初の2回(二期会とベルリン・ドイツオペラ)で聞いたホルスト・ヒースターマンの「刷り込み」とどうしても比較してしまう。

 特に第2幕のあたりで感じたのは,「リング」の中で『ジークフリート』はたぶん最も音楽を知らなかった,ということ。「リング」も3日目ともなると,ライトモティーフなど音楽を構成する要素は大部分既知のものなので知っているような気になっていたのだが,音楽の運びは覚えていないところが多く,そうかこうだったのかと思うことが多かった。(2002年のベルリン州立歌劇場の『ジークフリート』については,「本拠地」の「オペラの章」参照。)

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» 剣話§再『ジークフリート』新国立劇場 [ひだまりのお話]
第一幕のオーケストラは最悪で、頭を抱えてしまった。音楽は動かな いしコクがない。まったくワーグナーしていなかったのだ。 [Read More]

Tracked on Feb 23, 2010 at 01:41 PM

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