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Apr 17, 2010

新国立劇場『神々の黄昏』その2

承前
 『神々の黄昏』のことをもう少し書こうと思いつつ,やはり引っ越しの混乱の中でのことだったせいか,たちまちにして印象が薄れ,遠い過去のことになってしまった。それでも,振り返れば,無理して見てよかったと思う。
 歌手はかなりの水準の人たちで,しかも大きな穴がない。ハーゲン(ダニエル・スメギ)は,サルミネンほどではないが,前回の人よりハーゲンらしいワルぶりを発揮していた。ほかに,しっとりした声が印象に残ったのはグートルーネの横山恵子さん。初めて聞いたと思いつつ記録を見たら,実は2004年の二期会『エジプトのヘレナ』のヘレナを歌っていた人だった。前任者ほど細くはないが,このリングでもっとも鮮やかな色の衣装であるピンクのミニのスーツがなかなか似合っていた。ヴァルトラウテは,前回の藤村美穂子さんにかなわなかった。
 ラインのおばさんたちは,前回と同じくコートの下はレオタードで,太さも似たようなものだった。
 ダン・エッティンガーの指揮はなんだかよくわからないままだったが,音楽の運びは去年ののんびりもっさりよりはだいぶマシになっていた。

 今回のリング再演は,昨年と今年半分ずつだった。演出家は四部作の一挙上演を望んでいたという。一挙上演はもちろん見てみたい。そして,やるからには,最低3回,できれば4回,チクルス上演したいところだろう。
 しかし,以前勝手に考察したように(→参照),必要な間隔をとりつつ,適切な曜日に配置すること(ライン以外の3作のうち平日は1つにしてほしい)などを考えると,公演の期間だけで,3回の上演に4週間以上,4回の上演では5週間以上必要である。世界中で引っ張りだこのワグナー歌手を,リハーサルを含めると2か月半ぐらい拘束しなければならないことになるが,それは果たして可能かどうか。
 今回のフランツ(ジークフリート)やテオリン(ブリュンヒルデ)も,日本に合計2か月ぐらいいたはずだが,間に一時帰国することは可能だったのではないかと思う。幸い4部作全部に登場する役はないし,ダブルキャストでもいいわけではあるが,大勢の歌手の調整はパズルを解くような難しさがありそうだ。

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