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July 2010

Jul 31, 2010

パート譜からスコア――ホルストの第1組曲

 オーケストラ曲のスコアからパート譜を作るというのは,かつては比較的よく行われる作業だった。パート譜が出版されていない曲の場合は当然だが,大作曲家の作品でも,少しマイナーな曲になると,パート譜が手に入らないことは珍しくなかったからである。しかし,パート譜からスコアを作るという作業をしたことがある人はそう多くないだろう。
 高校2年のとき,吹奏楽の聖典,ホルストの「吹奏楽のための組曲第1番」に挑戦することになった。買ってきた Boosey 社の楽譜は,演奏用だからパート譜はもちろんちゃんとしているが,指揮者用としてはピアノスコアがセットに入っているだけだった。当時,吹奏楽の譜面というのはピアノスコアしかないのが普通で,フルスコアというのはほとんど存在しなかったが,ホルストのこの古典的名曲でさえ例外ではなかったのである。
 しかし,さすがにこの曲をフルスコアなしで練習するのは無理だということで,夏休みに,パート譜からフルスコアを作る作業をしたのである。五線紙の段数の都合もあって,そのころ部になかったファゴットやバリトン・サックスは省略したから,完全なフルスコアではないが,写譜用の万年筆を買ってきて,エアコンなどない部屋で正味二十数日かかった。

 先日,吹奏楽の雑誌『バンドジャーナル』の8月号に,ホルストの「組曲第1番」の自筆譜に基づく校訂譜がついていると聞いて(→参照),本屋に走った。8月号は第1曲「シャコンヌ」で,以後,第2曲は10月号,第3曲は12月号と続くという。自筆譜が大英図書館に寄贈されたのは1970年というから,上記の私のスコア作成より後だったことになる。四十数年ぶりで,この思い出の曲の本物のスコアが手に入った。

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Jul 25, 2010

久しぶりにヴィシソワーズ

 猛暑となった先週,久しぶりにヴィシソワーズを作ろうと思い立った。しかし,ここ3年間の仮住まいの間は作っていなかったので,分量が思い出せない。そこで参照したのが,2004年に自分でこのブログ上に書いたレシピである(→参照)。ああ,そういえばそうだったと思い出しながら,なんとか無事にできあがった。まあどうやっても,まずいものはできないけれど。
 先週はジャガイモとタマネギ以外には長ネギを少し入れただけだったが,今週はセロリを加えたらだいぶしまりのある味になった。

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Jul 24, 2010

南甲府駅から成田スカイアクセス

 山梨県某所で用事が終わった7月17日に,思い立って身延線の南甲府駅を訪れた。ローカル線の駅にしては妙に立派な昭和初期の駅舎が使われている駅で,『日本の駅100選』(主婦の友社)にも選ばれている。
 甲府から3駅目,9分で到着した。跨線橋はなく,甲府寄りの踏切を渡って改札口を出た。ちょうど梅雨明けになった強い日差しの下で,2階建て左右対称の比較的よく手入れされた駅舎が静かに広場を見下ろしていた。駅舎が立派なのは国鉄の意図ではなく,前身の私鉄・富士身延鉄道の本社ビルだったからである。ということは,青梅線の青梅駅が青梅鉄道の本社だったのとまったく同じ事情だ。P7171906

 ホームは1面だが,背後に留置線が多数あって,全体としてはかなり規模が大きな駅である。駅舎の左脇には,駅を横切る地下道まである。地下道をくぐって反対側まで行ってみたが,いきなり住宅街で駅らしい施設は何もない。地下道は長く,昼間だからいいけれど,暗くなったらかなり不気味だろう。

 午後,帰京し,その日に開通した成田スカイアクセス(京成成田空港線)の様子を見ようと,そのまま上野へ向かった。このところテレビCMや駅のポスターなどで大宣伝が行われていたから,7月17日という開通日はしっかり記憶されていた。
 京成上野駅は,夏休みに海外へ出発する人で混雑していた。しかし,列車の名は前と同じくスカイライナーだし,一般の旅行者で,新しいルートを通るということを意識している人は多くないようだった。10分後に出るスカイライナーの切符を買い,ホームへ。さすがに先頭車の周りには写真を撮ろうとする人が集まっていた。濃紺が美しい。車内も青が基調で落ち着いた雰囲気である。P7171923

 次の日暮里で,前の席にチビ鉄2人を連れた知人が乗ってきてびっくりした。
 日暮里を出ると空港第2ビルまで停まらない。京成高砂の通過はゆっくりだったが,北総線に入るとさすがに速い。印旛日本医大から従来の空港線に合流する所までの10kmあまりが実質的な新開通区間で,途中の駅は成田湯川1つだけである。丘陵地帯を堀割や高架でほとんどまっすぐ突っ走る。あっという間にJRと並列の区間に入り,地下へ潜ると空港第2ビル駅,次いで終点成田空港駅となる。京成上野からの所要時間は44分だった。
 帰りは「アクセス特急」という特急券不要の列車に乗った。空港からの新線経由の列車は,これとスカイライナーの2種類しかない。メインのホームをスカイライナーに譲り,アクセス特急は新設されたホームに隔離されていた。こちらは上野まで65分ほど。丘陵が夕日に染まっていた。

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Jul 14, 2010

不適切な用語――「惨敗」「ねじれ」

 12日の新聞では,民主党の「惨敗」「大敗」という大見出しが踊った。確かに,改選議席では,民主党が54から44で-10,自民党が38から51で+13となった。しかし,これをもって「惨敗」というのは,言葉の使い方として,どうみてもおかしい。
 別に民主党の肩を持つわけではなく,数字として出ていることを言うだけだが,非改選を含めた参議院全体では,民主党は106議席で依然として第1党であり,自民党の84議席より22議席多い。(これまでは45議席差だったから,差は半分以下になったが。)また,単独では過半数に届かないという状態もこれまでと同じである。(これまでは国民新党と合わせて過半数になっていたが,それでは足りなくなったというのが新しい点である。)すなわち,民主党が第1党であることは変わらず,それが過半数割れというのも変わらなかった。衆議院では圧倒的な第1党だから,「ねじれ状態」という言葉もあてはまらない。
 なおかつ,得票率を見ると,比例区はもちろん,実は選挙区でも民主党の方が多くて,比例区では39.5%対28.1%,選挙区では40.5%対31.4%だった。獲得議席数は,比例区ではその名の通り得票に比例するから16対12,選挙区は逆転して28対39である。参院の選挙区はかなりの小選挙区を含むので,こうした現象が起きる。(→参照
 ただし,マスコミが大げさなのは昔からである。自民党が「常勝」だったころでも,少し減ると「大敗」と書き立てて,大敗に伴う責任論が取り沙汰されていた。

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Jul 12, 2010

トーナメント理論

(1)
 トーナメント(敗者復活戦などのない単純な勝ち抜き戦)の総試合数は,「参加チーム数マイナス1」である。

 これは,1試合につき1チームが敗退するから,優勝チーム以外すべてが敗退するには「チーム数マイナス1」試合必要だ,と考えればわかりやすい。
 ワールドカップの決勝トーナメントは16チームで行われた。3位決定戦があるのでこれを数えれば,決勝トーナメントの試合数は16だった。
 ちなみに,グループリーグでは,8つのグループで,各4チームが総当たり6試合を行ったので,総試合数は48試合だった。

(2)
 もしかしたら昔から言われていることかもしれないけれど――同僚イケダさんがかつて「発見」した法則:「トーナメントで,優勝チームに敗れたチームは,(組み合わせが違えば)2位になる可能性がある」

 ワールドカップで,準決勝でスペインがドイツに,オランダがウルグアイに勝ち,決勝では,(予言タコのパウル君のご託宣のとおり!)スペインがオランダを破った。スペインはその前にはパラグアイに勝っている。ということは,強さの比較は
  スペイン > ドイツ
  スペイン > オランダ > ウルグアイ
  スペイン > パラグアイ
ということになる。しかし,直接対戦していないドイツ,ウルグアイ,パラグアイの間,およびドイツ,オランダ,パラグアイの間の強弱は不明である。もしかしたら,ドイツとオランダ(とオランダに敗れたチーム)は実は弱くて,パラグアイの方がオランダ,ドイツ,ウルグアイより強いという可能性がある。その場合,パラグアイが2位だった可能性がある,というわけである。
 ところで,日本はパラグアイにPK戦で敗れたが,「本割り」では引き分けだからパラグアイと同等の力がある。すなわち,「世が世なら日本は2位だった(のかもしれないといえないこともない)」というのがこの「理論」の帰結である。

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Jul 10, 2010

神保町の6月 その2

◇あじさい 2題
 カレー屋「まんてん」のある路地にて1006ajisai1

 
 
 五十神社(千代田通りエーパン脇の道を行って左折)にて1006ajisai2

 
 
◇錦町更科 W杯メニューに
 6月下旬になって,ようやくワールドカップ・メニューになった。(その1 参照)1006sarashina

 
 
 
 

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準決勝――ワールドカップ あと2試合

 連続4得点をあげて無敵と思われたドイツが,準決勝でスペインに敗れた。こういうこともあるのか。
 翌9日のスポーツ新聞は,スペイン・ドイツの試合自体の記事以外に,過去の決勝戦のデータ,最多得点記録,予言タコのパウル君,パラグアイが準々決勝で勝ったら脱ぐはずが負けたけどやっぱり脱いだパラグアイ美女など,話題満載だった。あとは3位決定戦と決勝だけ。

 その前のオランダの試合を見ていて,パスが実に簡単そうに見えた。わずかなすきまから確実にけっこう長いパスが出るし,ライン際で大勢に囲まれてもうどうしようもないというときでも,結局はパスしてしまう。パスの成功率が高い一方で,パスの継ぎ目やドリブルのときに,意外としょっちゅうボールを奪われる。相手も,オランダほどではないにせよ,やはり簡単そうにパスをするが,また奪い返す。ボールの保持チームの交代はかなり頻繁だった。
 それに比べて,スペインのパス回しは,オランダほど「簡単そう」ではなく,むしろ難しそうに見せつつかっこよく決めるという感じで,素人目にも美しく,華やかだ。

 「準決勝」は英語では semifinal,すなわち文字通りには「半決勝」だ。同様に,「準々決勝」は quarterfinal だから「4分の1決勝」だが,octofinal とか eighth final という言葉はないようだ。

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Jul 09, 2010

不在者投票を体験

 今度の参院選で,初めて不在者投票をした。
 といっても,投票日に都合が悪いわけではなく,3月の転居に伴うものである。選挙の入場券が旧住所の選挙管理委員会から送られて来たので,なぜかと思ったら,新しい場所の選挙人名簿に登録されるのは転居届の3か月後の月末ぐらいになるので,公示日には間に合わなかったということらしい。不在者投票についての案内も同封されていた。
 それほど遠くへ引っ越したわけではないから,投票日に旧住所の投票所へ行って投票するのは可能だが,それを求められる筋合いのものではないと思い,現住所区内で不在者投票をすることにした。同封されていた用紙で「請求」したところ,不在者投票キットが書留で送られてきた。比例区・地方区の通常の投票用紙とそれを入れる二重の封筒,密封されて「決して開けるな」という封筒などが入っていた。
 某日朝,区の最寄りの出張所へ行った。しかし,出張所では期日前投票はできるが不在者投票はできないというので,やむなく,区役所へ。歩いて10分なのでまあいいけれど,少し汗をかいた。行った先は区役所のごく普通の古い事務室で,狭いところに苦労して記載台が作ってあった。「決して開けるな」の封筒は係員が機械で開いた。本人確認のために生年月日を言わされてから,記載台へ。記載した投票用紙を大小二重の別々の封筒に入れて封をし,係に渡して完了。正味3分であっけなく終わった。
 しかし,そもそも,選挙人名簿の移転になぜ3か月もかかるのだろう。

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Jul 04, 2010

ボローニャとバイエルンが鉢合わせ

 ボローニャ歌劇場の来日公演が2011年9月にあるというのを,CLASSICA―What's New! で知った。さっそく主催者サイトを見たら,公演は9月13日~25日だという。曲目は『清教徒』『エルナーニ』『カルメン』。

 来年秋といえば,バイエルン州立歌劇場の公演もある。こちらの主催者サイトでは「9月~10月」というだけでまだ日付は書いてないが,かなりの部分が重なることになるのだろう。曲目は『ローエングリン』『ロベルト・デヴェリュー』『ナクソス島のアリアドネ』で,以前の予定(→参照)の『ドン・ジョヴァンニ』が『ロベルト・デヴェリュー』に変更になった。『ロベルト・デヴェリュー』のエリザベッタはもちろん,グルベローヴァ。この役は2008年のウィーン国立歌劇場の公演(演奏会形式)で聞いてこれが見納めかと思っていた。こうなったらあと1年余り元気でいて欲しい。
 ツェルビネッタは,ダニエラ・ファリーという人で,現地でいつも歌っているディアナ・ダムラウではない。バイエルン歌劇場関係者の「内部情報」によると,ダムラウは妊娠中だということらしいが,その後知ったところでは,メトの来年6月の来日公演でルチアを歌うという。乳児をかかえて何度も遠い日本に行くのは勘弁,ということか。

 評判の高いテノール,ヨナス・カウフマンは日本に居続けるらしく,ボローニャではドン・ホセ,バイエルンではローエングリンというまったくタイプの違う役を歌う。

 ★7月13日追記  その後の情報では,バイエルンの公演は9月23日~10月10日だとのこと。

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Jul 03, 2010

翌朝のスポーツ紙

 25日のような good morning を再び迎えることはできなかった。
 ワールドカップ決勝トーナメントのパラグアイ戦の翌朝,29日の『スポーツニッポン』『日刊スポーツ』(宅配版)を見たら,たまたまそういう版が届いたということかもしれないが,『スポニチ』ではPK戦で敗れた最終結果が書いてあるのに,『日刊』は延長戦の前の90分が0-0というところまでで終わっていた。時間にすると50分あまりの差だが,この違いは大きい。
 しかも,『スポニチ』は,1面の見出しだけ間に合わせたというわけではなく,他の面の記事まできちんと終わった状態になっていた。たぶん試合中から,PK戦になって勝った場合と負けた場合の記事を用意し始めていたのだろう。オペラ『トゥーランドット』第2幕で,ピン,パン,ポンが「私は結婚式の準備を」「私は葬式の準備を」と言う場面を思い出してしまった。
 決勝トーナメントは延長がありうるので,関係者はそれぞれ準備をしていたのだろうが,PK戦まで行ったので,考えられるもっとも遅い終了となった。

 『トゥーランドット』といえば,日本時間の午前3時半開始だったデンマーク戦のテレビ視聴率は,平均で30%,瞬間的には40%以上という驚異的な数字で,日本列島はまさに「誰も寝てはならぬ」状態だったことになる。
  ◇4年前の新聞は →参照

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