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Dec 19, 2010

六本木の幻影

 70年代半ばまで,学生時代の友人Kの家は六本木の交差点から裏の方へ歩いて2分のところにあった。木造二階家だった。
 地下鉄日比谷線は東京オリンピックの年1964年に開通していて,Kの家に行くようになった60年代末ごろには,交差点の周辺や少し麻布寄りのほうはすでに繁華街になっていた。しかし,一歩裏へ回ると木造の一戸建ての家が並ぶ普通の住宅地だった。
 交差点の北寄りは防衛庁が占めていて,周辺は夜はまったく寂しい場所だった。防衛庁の跡地はいまは東京ミッドタウンになっている。
 六本木の繁華街は学生が行くようなところではなかったし,勤め人になってからもほとんど行く機会はなかった。したがって,昔の六本木というと,Kの家の周辺の地味な印象が幻影のように残っている。
 Kの家はやがて地上げされた。移った先が五本木(目黒区)だというのがちょっとおもしろかった。

 南の方の六本木3丁目で育った別の知人によると,昭和30年代は文字通り「三丁目の夕日」の世界で,日々高くなっていく東京タワーを間近で見ていたという。大正時代に永井荷風の寓居「偏奇館」があったのも,今の六本木1丁目である。

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