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Jan 25, 2011

三島由紀夫と「豊饒の海」

 昨年の11月25日は,三島由紀夫が45歳で「自決」してから40年の日だった。昨年6月,三島の戯曲によるオペラ『鹿鳴館』(池辺晋一郎作曲)が新国立劇場で初演されたが,これをめぐる文章の中で,三島の結婚生活がわずかに12年だったという指摘があり,その後の年月の長さをあらためて思った。

 あの日,市ヶ谷の自衛隊に三島らが立てこもったというニュースが流れたのは昼ごろだったと思う。当時私は,大学紛争後の不規則な学生生活を送っていた。その日は大学へ午後から行くつもりだったが,ニュースを見ていたら出かける気がしなくなって,テレビを見続けた。
 細かい経緯はもはや覚えていないし,そのとき死を賭して主張した内容(詳しく伝えられたのは後からだが)にはまったく共感できなかった。ただ,自決という結末を聞いたとき,「豊饒の海」の最終巻がどうなったかというのがいちばん気になった。
 私は,三島の特に熱心な読者ではなく,『潮騒』『金閣寺』など比較的有名な数冊を読んだだけだったが,何かのきっかけで「豊饒の海」四部作のうちの第1部『春の雪』を読んで圧倒され,続いて第2部『奔馬』を読み,次の『暁の寺』を読まなければと思っていたところだった。「豊饒の海」の初版本は,輪廻転生の壮大な物語にふさわしい華麗な箱入りで,旧仮名・旧漢字表記だった。いずれも『新潮』で連載され,最初の2冊が1969年,次が70年に単行本となり,当時第4部が連載中だった。
 三島が第4部『天人五衰』の連載最終回の原稿を書き上げてから「決起」に向かったことが報じられたのは,その夜だったか。ただし,翌年出た『天人五衰』は,他の巻よりだいぶ薄かった。

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