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Jun 20, 2011

メト『ドン・カルロ』

 なんだか隔週刊誌状態もやっとになってしまったが,またメトのことを。
 先週,メト・ライブビューイングの『ワルキューレ』を見た。休憩は実演の休憩よりは短いのだろうが,それでも5時間20分の長尺(料金も特別)。案内役は白髭のドミンゴで,幕間のデボラ・ヴォイト(ブリュンヒルデ)へのインタビューの中で,「君と2006年に日本で,ジークリンデとジークムントをやったね」と思い出を語っていた。
 これで,今シーズンは終了となった。来シーズンは「指輪」後半の2作を初め,全11演目の予定。(→参照先

 そして,今週は実演のメトロポリタン・オペラ『ドン・カルロ』見た。これはライブ・ビューイングは見なかったので,会場(NHKホール)へ着いて上演時間4時間40分(休憩25分×2回含む)という貼り紙に一瞬驚いた。そうだ,今回は,初版の第1幕を復活させた5幕版だった。通常の4幕版でもヴェルディの中では長い方だが,それよりさらに長い。5幕版は,映像は持っているが,実演に接するのは初めてである。
 前回書いたように,主役6人のうち3人が当初予定と違う歌手になったが,そこはメトの面目で豪華な声の饗宴だった。特に,タイトルロールのヨンフン・リー(カウフマンの代わり;ソウル出身)は,音域によるムラのない美声で会場を沸かせた。ロドリーゴのホロストフスキーは,最近見た顔だと思ったら,ライブ・ビューイングの『イル・トロヴァトーレ』でルーナ伯爵を歌った人だった。フェリペ2世は,一昨年のスカラ座に続き,ルネ・パーペ(予定通りならエリザベッタもスカラ座と同じになるところだった)。
 舞台装置は,入念に作られているようだが,教会前の場面など,メトとしては意外と地味だった。
 通常2千円ぐらいのプログラムが,いろいろなどたばたのお詫びのつもりか,今回は無料配布だった。当初の予定になかった歌手の紹介のパンフレットが挟んであり,その裏表紙に「大地震発生の場合の避難方法につきまして」という一文が載っていたが,特に気にも留めなかった。ところが,第4幕(4幕版では第3幕)の終わりのエボリ公女のアリアのときに地震があった(東京は震度2)。舞台はそのまま進行したが,客席が少しざわめいた。

 カーテンコールでは,歌手や指揮者へだけでなく,来てくれてありがとうというカンパニー全体への感謝がこめられた拍手が続いた。
 メトは19日の昼上野で『ルチア』,夜NHKホールで『ラ・ボエーム』という移動を伴うダブルヘッダーで,日本公演を終了した。

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