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Oct 16, 2011

驚嘆のサロメ――エリカ・ズンネガルド

 新国立劇場の『サロメ』を見た。『サロメ』を見るのは13回目で,モーツァルトの4大オペラに次ぐ回数になる。今回のタイトルロールのエリカ・ズンネガルドは,歌・演技・容姿ともこれまでで最高ランクだった。この公演はあと2回ある(19日・22日,共に15:00)ので,迷っている方はぜひ,ということで急いで書いておく次第。
 特に演技面では,まあ15歳というのは無理にしても(顔をオペラグラスで子細に観察しなければ)20歳ぐらいには見えるほっそりした女性がだんだん妖しくなっていくさまは圧巻で,最後にヘロデが「この女を殺せ」と叫ばずにはいられなかったのは当然と思わせる。しかも,声は透明だが強靱かつしなやかで,7つのヴェールの踊りを踊った後の長丁場もぐいぐいとクライマックスに持って行く。
 新国立劇場のこの演出(アウグスト・エファーディング)は2000年4月のプレミエ以来なんと5回目で,同じ演出のオペラを5回見るというのも初めての経験だった。これまでのサロメは,シンシア・マークリス,ジャニス・ベアード,エヴァ・ヨハンソン,ナターリア・ウシャコワで,細かいことは覚えていないが,みな水準以上の容姿で,踊りも最後は全部…だった。でも,今回ほど少女らしく,かつ歌も良いのは初めてである。
 少女らしいという点では,デッサウのオペラの来日公演(2001年11月;「本拠地」参照)のエイラーナ・ラッパライネンに少し及ばないが,歌との総合力で今回のズンネガルドが圧倒的にトップである。

 新国立劇場は,その前の『イル・トロヴァトーレ』(新制作)で2011-12シーズンが開幕した。これも引き締まった舞台で,ボローニャのヴェルディの直後だったが,安心して見ることができた。
 オペラの「シーズン」というのは,新国立劇場ができて初めて体験することになった概念である。それと共に,上記『サロメ』のような同じ演出の再演というのも,新国立劇場という常設のオペラならではの楽しみである。

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Comments

IIZUKAさんおすすめならぜひ行きたいところですが、残念、もう予定が入っています(;д;)

Posted by: リンデ | Oct 16, 2011 at 02:27 PM

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