旅先で聞いた訃報
1975年6月,初めて日本を出て,ロンドンで最初の夜を迎えた。簡素なホテルで,設備と言えばベッドに作り付けになっているラジオぐらいだった。そのラジオをつけ,BBC1というダイヤルに合わせたら,ニュースをやっている。そこで聞いたのが,日本の前の首相で,Nobel Prize 受賞者の Eisaku Sato が死去した,というニュースだった。
ニュース自体にはさしたる感慨もなかったが,とりあえず内容がわかったことはうれしかった。
10年以上前の1月だった,と思って調べてみたら1996年のこと,仕事で鹿児島に出かけた。一仕事終わって,夜は地元の関係者に連れられて飲みに行った。鹿児島で「飲む」といえば当然焼酎である。カウンターで,芋焼酎の濃いお湯割りが注がれた。
関係者氏はやがてカウンター内のマスターや周囲の顔なじみの客と話を始めた。もちろん,地元の人同士はこてこての鹿児島弁で,ほとんど何もわからない。知らない音楽のように聞いていたが,どうやらだれか有名人が死んだという話をしているらしい,ということがだんだんわかってきた。テーマになっている人の名前は「旧情報」になってしまって出てこないが,元相方の「きよし」という名が出てきてやっとわかった。死んだのは横山やすしだった。
今でも,たまに横山やすし・西川きよしの話題になると,鹿児島の居酒屋のカウンターを思い出す。
(→参照)







