ベークドで御座います
パソコン,ワープロが,というよりかな漢字変換のシステムが,漢字の使用率を上げた。もともと,読める漢字と書ける漢字の数の間には大きな開きがあったのだが,この差が小さくなって,漢字の多い文章を書く人が増えた。
必然性があってのことならいいのだが,かなで書くのが普通の大和言葉に漢字を使うのは意味がないし,字面がきたなくなる。「御詫び」「然し」「宜しく」に始まって,「致します」「頂きたい」「御座います」のような補助用言のたぐいにまで漢字を使うのは勘弁してほしい。
初期のパソコンは,使える漢字はJIS第1水準のみというのが普通だった。それが,第2水準まで使えるようになって,たぶん90年代ぐらいから,「渡邉・渡邊」さん,「小澤」さんなどが増えた。手書きの時代から「團」「國弘」といった表記を使っている人はいたが,「邉・邊」「澤」については通常は「辺」「沢」と書いていた人の方がずっと多かったはずである。
ちなみに,「辺」の異体字はJIS第2水準では上記の2種のみだが,実際には少なくとも20種,見解によっては60種以上あるとされている。
少し別の話だが,やめてほしいと思うのはチーズケーキなどについて見かける「ベークド」という表記である。英語のth音のように日本語を書く文字ではs音と区別のしようがない場合と違って,-edの発音が有声音の場合と無声音の場合を書き分けることは一応できるのに,「ベークト」としないのはなんとも奇妙である。
思い起こせば,かつてのパソコン用語「エンハンスド」あたりが,このことが気になった最初である。
もちろん,今さら「タイガーズ」「ヤンキーズ」とせよとは言いませんが(これは有声・無声が逆ですね)。


Comments
前代のヤンキースタジアムで松井の出る試合を見ていたとき、隣にすわった親子が「ヤンキース」と無声音で言ったので、そういうものかと感じたことがあります。漢字で松井と大きく書いた厚紙をかざしていたので、興味をもったらしく、声をかけてきました。NY在住の人だと思います。ポーチド・エッグは英語でも無声化しないのかしら。
Posted by: annotasku | Dec 29, 2011 at 10:02 AM